創作)6話
私は宗乃さんに
「流麗とお揃いで買ったんです」
と言われながら手袋を貰った。
「流麗の代わりに使って下さい」
と、言われながら。
それから、宗乃さんと私は流麗について色々話合った。
沢山流麗に優しくされたこと、流麗と出掛けた
数々の思い出を話し、聞いている内に涙が出そうに
なったが、全然出なかった。
私が自分で「泣きそう」って思う時は
必ずと言って良い程泣いてるのに。
何だろう…この…違和感…
ずっと泣きそうなのに涙が出ないし、
しかもずっと、涙の量がだんだん増えるような話を
宗乃さんはずっとしているのに。
それに、流麗は生前、
「__はやっぱ一番の友達だ!!
__以上の友達は居ない!」
って、いつも私に言ってくれた。
流麗は嘘なんて全然ついたこと無いのに
私以上に流麗と話して、遊んで、やり取りを
しているなんておかしい気がした。
"いや、これは宗乃さんじゃなくて私がおかしいのかも。
流麗は私の知らないところで嘘をついていても、
何をしていてもおかしくないのに
こんなに考えてしまう私が…おかしいのかも。"
そう思ったものの、やっぱり宗乃さんが
おかしいんだと気付いた。
この人と居るとイライラしてくる。
こんな人に貰った手袋なんていらない、と
帰ったらすぐ捨てようと思った。
たとえ、流麗が使っていた手袋でもいらない、
と、強く思った。
創作)5話
ある日、私が住んでいる家に誰か来た。
それと同時に母が私を呼ぶ声がする。
その人は母に私を呼ぶように頼んだようだ。
私に会いに来る人なんて滅多に居ないから一階へ行った。
訪問者の名は牧田 宗乃(まきた その)だという。
話を聞いていると、彼女は流麗の親友だという。
彼女も私と同じように流麗が亡くなったショックで
数ヶ月間外に出れなかったようだ。
創作)4話
流麗が亡くなって一年が経った。
私はそのショックから未だに立ち直れていない。
流麗が亡くなった時から、私はひきこもりになった。
親ともまともに話せていない。
流麗は高一で亡くなり、私も高校を中退した。
たまに私の部屋に遊びに来ていた人もいじめっ子に
なったらしい。
ちっとも太陽が見えなく絶望的だ。
創作)3話
今日は流麗と遊んだ。
とっても楽しかった。流麗と話して居ると、
もう自殺はやめるらしい。
その翌日、一本の電話があった。
どうやら、流麗が亡くなったようだ。
昨日の夜、帰っている時に、刺されたようだ。
刺したのは、ストーカー。
つまり、彼氏だった。
彼氏は何日か逃走して、捕まったらしい。
彼氏は殺したことを認めた。
そして、
「彼女は、刺した時まで澄んだ瞳だった」
と、言ったらしく、私は
「もう自殺はやめるって言うのはホントだったんだ」
って泣いてしまった。
創作)2話
流麗が果てしなく続く空を見上げて、
「やっぱり生きた方がいいよね」
と涙ぐんで言ってきた。それに対して私は、
「それは…やっぱり生きた方がいいよ?
でも、無理しては駄目だよ?」
と、言ったら流麗が
「私が死のうとしても、親は…親は
ちっとも心配しなかったんだよ?
だから、怪我を直そうとしてくれた医者には
申し訳ないけど…」
そう、言ってきた。
だから私は必死で止めようとした。
私が喋ろうとしたとき、流麗が
「でも、まだやっぱり、死ねないわ。
私に心から生きて欲しいって言う人が隣に居るし?
まぁ、居て欲しいしね、」
って言ってきたから、私は
「私も一緒に居たいし、居て欲しいよ!」
と、笑顔で返した。