るに

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7/15/2025, 4:10:20 PM

小指を出し合い
しっかりと握る。
約束だよ、二人だけの。
この悪の組織、抜けたら終わる!
私ら他じゃあやってけないわ!
私と私の親友は
よくよく考えたら
めっちゃ犯罪なことしてる
悪の組織に所属している。
私たちはまるで双子みたいに
性格や苦手なことが同じで、
物覚えが悪く、
頭の回転が遅かったから
どこも雇ってくれなかった。
この悪の組織が雇ってくれなかったら
一生二人でヒキニートやってたかも。
けどその代わり、
言われたことは最低限こなして
逃げ足が早いで有名になった。
逃げ足のことは
ちょっとよくわからないけど、
あの日親友と約束したこと、
私たちは他じゃ、やっていけないから
悪の組織に入ってることは他言無用。
秘密厳守でいこうというもの。
しかし給料が良すぎて
他だと物足りないと思ってしまうから
やっていけないだなんて、
我が親友ながら少しアホっぽい。
まあ、
仕事内容は危険なもの、
簡単なもの、
逃げるだけでいいもの、
よくわからないものなど
色んな種類があって選べる。
私たちは怖いのもわからないのも嫌だから
逃げるだけでいいものにした。
だから逃げ足が早いで有名なのかね。
"Good Midnight!"
そもそもこの仕事は
親友が突然見つけて応募したものだった。
悪の組織の求人募集なんて
どこで見つけてきたのやら。

7/14/2025, 3:42:24 PM

夏の匂いがする、
そんな日の朝。
1人寝っ転がり空を眺めいた。
まだ4時だってのに
日はもう照っていて
蒸し暑かった。
1人寝っ転がり空を眺めいた。
私は雲を掴もうとして
馬鹿みたいに空を切った手で
少し寂しい気持ちになった。
今日のお昼は
冷やし中華か、そうめんか、
あっ、焼きそばもいいなぁ。
そんなことを考えながら
また雲を掴もうとしてみる。
けど今度は掴めて、
ひんやりとした雲の感触が
手に伝わってきた。
アイスみたいで、砂みたいで、
すごく不思議な感じがした。
"Good Midnight!"
けどまあ、
数分も経ったら飽きてきて、
雲一つ掴めたところで
世界も私も
何も変わらないことがわかった
今日この頃。

7/13/2025, 3:05:12 PM

人は嘘をつく生き物。
本当のことを言うこともあれば
嘘を言うこともある。
では嘘をついた時に
隠された真実は
一体どこへ行ってしまうのか。
大体の嘘と真実がある
嘘管理大書庫を紹介しようと思う。
人が嘘をついた時に
真実が一つ欠ける。
その欠けた真実は
どこからともなく集められ、
嘘管理大書庫という場所に送られる。
そこでは
嘘と真実が入り交じっていて
特定の嘘と真実が書かれた本を
見つけたり、
この嘘管理大書庫を
迷わず歩けるのは、
ここで働く
私のような職員しかいない。
仕事は毎日、
山のように届く本を
置く場所が決められた紙を見ながら
並べていったり、
ほこりをとったり、
要望があれば本を探して
貸し出したりすること。
のんびりしているけど
届く本の量が多すぎて
嫌になってくる。
人は愚かな生き物だ、とほほ。
でもそれ以外は
文句なしの天職だと言える。
だから続けない理由なんかない。
ただ、
たまに探偵が調査めんどいからって
ここを使うのは
職務放り出しててムカつく。
"Good Midnight!"
人は嘘をつく生き物。
でも、
嘘をついてくれるおかげで
私は今楽しい職場で働けてて。

7/12/2025, 5:49:47 PM

風鈴の音が
部屋いっぱいに広がって
あ〜、夏だなぁとか
考えてる間に寝てて
夜に起きる。
何にもしなかった休日は
手放すのが少し惜しくて
なんとも言えない気持ちになる。
今日やりたかったことが
片手じゃ数えられないくらい
あったのになーって。
金魚が描かれた風鈴は
夜になっても鳴りっぱなし。
窓から生ぬるい風が
春風みたいに入ってくるからね。
涼しいとは言えない
じめっとした空気。
あー、また私は
晩御飯も食べずにアイスを食べてる。
"Good Midnight!"
まあ、自分に甘く都合よく
見ないふりをしてあげようと
目を瞑り風を感じながら
残りのアイスを食べた。

7/11/2025, 5:39:14 PM

真夜中の午前2時。
いつもと変わらない日で
いつもと同じ夜だった。
外は曇っていて
星なんか見えなくて
車の走る音と、
私の流す音楽しか聞こえなかった。
ほとんどの家では灯りが消えてて
窓から見える景色だけが
今の世界だとしたら
今だけ世界に私だけな気がした。
寒いくらいの冷房の風で
私の髪は頬を撫でなびく。
誰も知らない私の世界。
この部屋だけに広がる世界。
大好きな本を読んで浸っていた。
海の浅瀬にいる気分だった。
足首が浸るだけで
息がしやすくて
私の居場所って感じがするの。
こんな世界も場所も
簡単に作れるものじゃない。
だから大事にしたい。
手放さないように
私がそっと包み込んで、
私も包み込んでもらいたい。
全身が浸って
涙で息苦しくなるのは
ほどほどでいい。
だから私は、
人生ほどほどに。っていう言葉も
この世界と場所くらい大事にしてる。
"Good Midnight!"
私の家からかなり歩いた所に
高速道路の入口がある。
休日に何回か車で通るけど
家とは、こことは違う
別の世界への未知なる道っぽくて
なんだか安らぐ。
だから落ち着かない日は、
ただ心だけ、逃避行するだけ。

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