雨の香り、涙の跡を
隠すほんのり暖かい雨。
懐かしい記憶を貪る
午前5時。
外はもう明るいのに
まだ寝てないし
思考が鬱陶しく思えて
寝ずに散歩した。
頭を冷やすつもりで外に出たのに
じめじめ、じりじりと暑くて
頭を暖めてしまった。
ああ、なんか嫌だな。
いつも同じ毎日、過ごすのかな。
このままずっと。
今見えてるこの先の1週間も
1ヶ月もずっと。
逃げたいなぁ。
逃げれないなぁ。
そんなことをぼそっと呟いていると
なんだか涙が溢れてきた。
こんな事を聞いたことがあるだろう。
そんなことを言うなと。
普通の毎日を過ごせることが幸せだと。
世の中には
毎日が死と隣り合わせの人もいるから
お前は幸せだと。
けど、
ここで幸せじゃなーい!って叫んでも
世の中の人が救われるわけじゃないし、
結局はただの他人だし、
幸せの基準は自分で決めるものだし。
言いたい言葉は見つかるのに
それを口に出すのが怖くて、
いつまでも言えずにいる。
でもここには私だけ。
言いたいことは
私に言って私を救ってあげる。
唸り声を上げながら
大泣きする。
頬に冷たい何かが当たったかと思うと、
大雨が私を包んだ。
まるで涙の跡を隠してくれてるみたいに。
"Good Midnight!"
言えないことがあるなら
自分に言うしかない。
救ってくれる人がいないなら
自分で救うしかない。
紡ぐのが糸だとしたら
断つのは針か?
ハサミか?
針は紡いだ糸と使える、
ってことは和解しちゃってる?
ハサミは糸ごと切れる、
ってことは他のも切っちゃってる?
どっちも指に擦ると痛いのに
和解するか別のも切るか
1か100しかない。
私の苦手なあの人もそうで
ゲロ難タスクか、
鼻ほじりながらでもできる暇タスクか、
1か100しか寄越してこない。
丁度いいのは
もちろん発生すらしない。
ならタスクを放っておいて、
ゲロ難タスクと暇タスクを
同時にやろうって思ったわけ。
そしたらまあー大変。
鬼ムズタスクができちゃったんだわ。
もう二度としない!って
嘆きながら終わらせたよ。
"Good Midnight!"
あぁ、でも、そうそう
私なら針を選ぶし
暇タスクを選ぶよ。
だって平和主義者で
めんどくさがりなんだもん。
いつもいつも届かないのに。
今更私の優しい所届いたって
意味ないって時に
届くんだって。
私の嫌な所も
優しい所も
全部私が1番よく知ってる。
だから私の良さが伝わらないのは
ムカつくし、
自分で嫌だなと思ってる所を
優しさだと受け止められるのも
気分が悪い。
私はこんな所が良くて、
こんな所が嫌なんだよーって書いた
名札でもつけたい気分。
友達は量より質って言うけど
私は友達作りヘッタクソだから
量も少なくて質も悪い。
まあでも
だからこそ優しくも出来るし
嫌な所も見せれるんだけどね。
類は友を呼ぶって言うし…。
"Good Midnight!"
届かない優しさがあったって
私は私のままだから
どんどん伝わればなーって。
いつかの夢で見た
ここではないどこか。
記憶の地図でしかないけど
海も山も滝も近くて
遺跡は海に浮かんでた。
どこにあるのか、
私がそこに行けるかは
まだ全然わからないけど、
何故か行くなら深夜に行きたかった。
日常とおさらばするなら
日常の中でも一番かけ離れてた
深夜がいいとでも
思ったんだろうけど。
自転車?車?
バス?電車?船?
どうやって行くか
いろいろ考えたけど
まあとりあえずは
深夜の街灯を楽しもうと
夜の香りに紛れて歩き出した。
昼間はあんなに暑かったのに
夜になると少し風が出てきて涼しい。
夢では海が見えたから
海に沿って歩こうと
海を目指した。
"Good Midnight!"
辺りはシーンとしていて
ただ、さざ波を求めて
歩いている私を
静かに受け入れてくれてるみたいで。
捨てればいいのに
マグカップ。
断捨離してると
捨てればいいのにって物
ばっかり出てくる。
けどどれも思い出があったり
まだギリ使えそうだったりして
断捨離にならない。
ゴミ屋敷って、
断捨離しようとすればするほど
なっていくもんなんだなって
よくわかる。
私は掃除も捨てるのも苦手だから
部屋は物で溢れかえって
私の生活スペースが
どんどん小さくなっている。
救急箱はいる。
帽子は外出ること少ないけど
多分まだ被る。
空き缶は…
なんで残してんだ。
しかし部屋を片付けると
どこに何があるのか
また覚え直さなきゃいけないのが
まためんどくさい。
ふーっと一段落。
一旦ゴミ屋敷は回避。
"Good Midnight!"
水を飲むために
捨てればいいのにと思う
マグカップを持ち上げるのさえ
疲れてめんどくさい。
雨の湿気でいつもの倍
全てのことがめんどくさい。