紅色のリップを塗り、
丈が足首より少し上の
歩きやすいドレスを着て、
お城の舞踏会へ向かう。
と言っても、
私は踊りを楽しみに来たのでは無い。
銀髪の少女を連れ去るように言われたのだ。
まずは少女に近づいても怪しまれないよう、
仲をそこそこ深めることにした。
"Shall we dance?"
と言って少女と踊り、
そこから雑談などで
馬が合うように仕向けた。
あまり一緒に居すぎると
良くない気がしたので
フラフラ歩いて
適当な人と踊った。
途中、
黒髪の少女が
別の部屋へ移動するのが見えたが、
頭の片隅に置いておいた。
そして20時頃、
銀髪の少女の飲み物に
あらかじめ睡眠薬を溶かしておいた
白く濁った液体を入れた。
直後、
後ろから青銀髪の少女が
銀髪の少女の手を掴んで
庭へ連れていった。
追いかけようとすると、
ちょっと待ってくださる?
と、
黒髪の少女に引き止められた。
別の部屋へ連れられ、
アナタ、銀髪の子の飲み物に何かしたでしょう。
流石に不自然過ぎたか。
ここら辺の人だと
気づくのもよくわかる。
だが黒髪の少女は
戦闘力が低そうだ。
このまま逃げることもできる。
選択肢がありすぎて気が抜けた。
…何も言わないのね。
銀髪の子ね、私の知り合いなのよ。
聞いてて心地よいこの少女の喋り方。
私は黙秘を続けた。
まあいいわ。
今度しっかり聞くから
また会いましょう。
来るわけない。
だって私は
青銀髪の少女と別れた銀髪の少女を
直接眠らせ連れ去った。
連れ去るように言った人に引き渡し、
何ヶ月か監禁すると言われたので、
銀髪の少女に変装をして
予定をこなした。
毎週舞踏会へ通っていたのは
正直驚いたが
それ以外はまあ大丈夫だった。
ウィッグを外し
寝る前のこの時間が
1番私だと思いながら
眠りについた。
"Good Midnight!"
あははっ。
殺人が起きて
こういうテンションのやつは
大体変人か黒幕。
スリル満点!
ってジェットコースターくらいで言ってるやつは
大体終盤で覚醒する。
夜は目が見えにくくて…
簡単に弱点を教えちゃうやつは
大体いいように使われる。
ちょっと寝なかったくらいで
12時間も寝るやつは
大体序盤で死ぬ。
感が鋭くなくて
俊敏性もない私は
多分最初に殺す側になって
無様に返り討ちにされる。
でも自分の体に爆弾を付けてて
道ずれにする。
誰か一緒じゃなきゃ寂しいもんね。
こないだクリアしたゲームの影響か、
私の頭の中はこんな感じだ。
とりあえず推しは死んで欲しくない。
できれば最初に返り討ちにされずに
最後まで推しを守りたい。
ゲームでは推しが3人いたが、
1人は感電死、
1人は失血死、
1人は自爆死。
このうち2人は他殺だ。
その人を頭の中で殺して
2人を生かすことができる。
しかしもう1人は救えない。
なぜならそのゲームの黒幕だったから。
自爆しか方法がなかった。
なら過去も含めて黒幕を肩代わりしたらどうだろう。
怒りが押さえつけられないけど、
推しは生かして帰すよ的な。
待ってそれ超いい!と、
1人部屋で盛り上がった。
そしたら急に
またゲームを一からプレイしたくなって、
スマホを開いた。
"Good Midnight!"
からあげ弁当を食べながら眺める推しは
最高だった。
直後に尊敬していた人に
睡眠薬で眠らされ、
感電死する推しが映った。
車とぶつかりそうになって
死にかけた今日、
直後は怖かった。
死を恐れた。
でも段々、
死なせてくれよなんて思ってきた。
みんな見えない翼を持ってる。
大きさは違うけど
ちゃんと飛べてる。
気づかないだけで
ちゃんと羽ばたいてる。
私はどうか。
大きさは普通だけど使えない。
自分のものじゃないみたいな感じ。
翼って
夢中になれて
自分を高めることができるものがある
証明になるんだと思う。
だから私は
夢中にはなれるけど
高めれないものなんだ。
する事する事全部が
他と変わらないというか、
そこから何も広げられないというか。
そんな自分を嫌ったり、
人と比べたり。
勝手に生まれてくる思考は
泣きたくなるほど惨めで。
だから今日は
翼を気にしないように過ごしていたんだ。
レンガの道の右側を歩いて、
チェック柄の傘で落ち葉を受け止めて、
少し冬っぽさを感じてくる空気を
肺いっぱいに吸って。
そんなちょっとの間に
曲がり角から車は来ていて、
あと数cm前に行っていたら
吹っ飛んでいたかもしれないほど
車はスピードが出ていた。
今日くらいは
お気に入りの服を着て
幸せに過ごそうと思っていたのに。
ドクドクと早くなる鼓動に合わせて
早歩きで家に帰る。
布団の上では愛犬が寝ていて、
いびきをかいていた。
背中をそっと触ると
暖かくて
ポロポロと涙がこぼれ落ちてきた。
それから夜まで
ずーっと愛犬の隣にいたんだ。
"Good Midnight!"
飛べない翼はただの飾り。
まだそう思っているこの少女は
車とぶつかりそうになった時
翼が守ってくれたこと、
前から危ない時は
翼が少女を包み込んでいたことを、
これから先も知らないまま。
青春とは
なんですか。
夢や希望に満ち活力のみなぎる
若い時代を、
人生の春にたとえたもの。
Google先生はそう言います。
調べなくても
大体の人がそう言うと思います。
青い春。
春と言えば桜。
しかし桜はピンクです。
青だからいいってものがあるのでしょうか。
たしかに、
ピンクの春だと
恋愛を連想させますね。
画面をスクロールさせると、
青春について
詳しく載っているページを見つけました。
どうやら青春の青は
青年時代の青のようです。
色ではなかったんですね。
元気な、
中高生くらいの時しか
青春と呼ばないのですかね。
たとえば夜、
満月を見て
青春だと
小学生が言っても
それは青春ではないのでしょうか。
赤とんぼが
柵に止まっているのを見て
青春だと
お婆さんが言っても
それは青春ではないのでしょうか。
私が知らないだけで
それもこれも
全て青春と言えるのかもしれません。
敬語で
丁寧な口調ですが、
文だけでは伝わらないものがありますね。
そう、
私はただいまゲーム中です。
ふふ。
友達におすすめしてもらったゲームが
ストーリーもキャラも好みすぎて!
やめられないんですよ。
さて、
私が青春だと思う時は
ゲームをしている時です。
昔からゲームが大好きでして、
視力がもう
どーんと落ちましたね。
もう少しでプレイし始めて3年経つゲームを
初めてやった時、
楽しすぎて前のめりになり
そこからずっと猫背が直りません。
身体に悪影響を及ぼすものって
人間が沼るものばかりですよね。
今でもたまに思います。
こんなに続けていたら
ボロボロになってしまうと。
でもね、
私は視力が潰れたって、
胸とお腹がくっついたって、
ゲームをしていたいと思うわけですよ。
長々とすみません。
休憩として
私の大好きな漫画の一言を。
"Good Midnight!"
ゲームや本は
私の視野を広げてくれました。
知っていましたか?
ススキには花言葉があるんです。
それはもう
私やどこかの誰かさんに
ピッタリなものが。
〆は花言葉にしましょうか。
悔いのない青春。
日帰り旅行から
帰ってくると、
強烈な睡魔が私を襲った。
まだご飯も食べてないし
お風呂も入ってないのに…。
脳裏に浮かんだのは
今日行った綺麗な景色の所。
はっとする。
もうそこは朝。
歩き疲れた重い足を動かし
とりあえずご飯を食べようと
冷蔵庫へ向かう。
しかし中には何も入っていなかった。
しまった。
家に帰ったら、
コンビニ行こうと思ってたんだった。
午前6時。
まだ寒いけど、
ちょっと明るいので、
パーカーを着て
外に出る。
鼻が冷たくて
手で包みこんだ。
カップラーメンを買って帰り、
お湯を注ぐ。
湯気が鼻を温めてくれて、
いい匂いが入ってくる。
"Good Midnight!"
朝からカップラーメンも
たまにはいいよね。