ジャングルジム
夕陽を浴びて、ひとりジャングルジムの天辺に腰掛け夕暮れの空を見つめている男の子に出会った、それが4歳の息子でした。
なぜか、胸が締め付けられるような、懐かしい自分に出会った様な、まさに昨日の夜の逆行だった。ここにもまた、20年ほど時を遡り逆行転生を見た女がいました。
なぜだか女は、その子がそこでそうして空を見上げている気持ちに共鳴出来たのでした、理由は分かりすぎています、自分も同じことをしたから。高い場所で、空を見上げるのは少しでもお母さんに近づきたいから。
誰も迎えに来ないと分かっている公園で
その時、自分には高く大きく見えたジャングルジムの天辺で、自分には広く広く見えた自分のいる場所から見える天。
井の中の蛙はまだ大海を知らず、静かな夕陽に母の面影を描いていた、天は高く澄んでいた。
そうだ、私はこの子の根っ子になりたい、そう思った、けれど逆だった、それから30数年私を大地に立たせ根っ子になったのは、夕焼けの男の子それが息子との縁でした。
早いもので、あれから30数年の時が経ち、今ようやく、息子が自分の子を抱いてジャングルジムで遊ばせる姿を見て、あのジャングルジムの天辺で夕焼け空に、実母の顔を思い描いていたであろう男の子に言えるのです。
「頑張ったね、ありがとう」そしてあの子が描いていたお母さんの顔の人に、「あなたの、目に手になれましたか?選んでくれてありがとう」と言えるのです。
神様、時間をありがとう
令和6年9月23日
心幸
声が聞こえる 〜逆行〜
時間の彼方からか、どこか得体のしれない内なる声のような、地鳴りのような山の音のような不思議な声が聞こえる。
十五夜を過ぎた彼岸前の静かな宵風を切りながら自転車のペタルを踏む頬をかすめる涼やかな風、空には白い満月、月明かりは歩道を照らし脇に咲く彼岸花を浮き上がらせていた。宮藤は無心で何時もの帰路の道、自転車を走らせていた。すると前方に人影駅に続くその道は宵のうちは田舎とはいえ、人通りはあり両脇も民家が並ぶ為に明るかった。その日も前方から見えてくる人影をさして気にも止めてはいなかった。
だが、しかし近づいてくるほどに、どうも様子がおかしいと思うように宮藤はなっていた。
先程からシャンシャンシャンという鈴の音のような音が、その前方の人影から聞こえて来るのである、月明かりはやけに、その人影を浮き上がらせていた、やがて、その人影が男であることに気づくと、スポットライトのように男を浮き上がらせている月明かりが更に光を増した。
宮藤は思わず目をこらした、青白い月明かりのスポットライトに浮かび上がった男は、2024年に生きる宮藤は映画やドラマでしか見たことのない、出兵する兵隊の格好をしている様に見え、思わず「えっ」と声が溢れた、全く映画やドラマの中に生きる兵隊が歩いている、リュックを背負ってご丁寧にアルミの水筒までさげて、それがリュックにつけられた金具と触れ合い、その兵隊が歩くたびシャンシャンと鈴のような音を立てていたのだ、宮藤はあたりを見回した、人影は他に見当たらない、何時もならこの時間帯は通勤通学駅を使う人影に幾つもすれ違うのに、今は前方向かって来る兵隊と自転車に乗った宮藤だけなのである。しかも、街並みも見慣れたものとは少し違うようだ、次の瞬間つい早急までアスファルトの上を自転車を走らしせていたはずが、砂利道になっていることに気づくと、とてつもない不安と恐怖の感情が心に過り身震いをした。兵隊はスポットライトを上から当てられているような格好で今まさにすれ違うところまで来ていた。
すれ違った時、微かに兵隊がこちらを見て微笑んだ気がしたが気づかないふりをしてやり過ごすのが精一杯だった、必死で砂利道を自転車を
漕ぐが、まるでスローモーション出会いはスポットライトあびたスローモーション軽い目眩誘うほど、、ではなく、シャンシャンシャンという兵隊が歩く度に聞こえる音と、「うー、うー」という呻き声のような声が聞こえた。
間違いないと宮藤は確信これは「逆行転生」ってやつだ! この街並み、あの兵隊2024年のものではなく、宮藤の心理が何かを感受して過去の時間軸に精神がトリップし、過去の自分に乗り移るというシュチュエーションだ。
思えば、その日は彼岸の入で宮藤の父の祥月命日、宮藤は昔聞いた父の父、祖父の出兵の日、宮藤の父は自転車を漕ぎこの道を、その兵隊姿の父を追いかけ走ったのだと聞かされたことを思い出した。
不思議と早急まであった恐怖心は無くなり、言いしれぬ郷愁を感じた。
「そこに、居ますか?お祖父さん」
宮藤は自転車を止め振り返ったが、兵隊は居なかった、道はアスファルトに変わっていた。
どこからともなく、祖父と父の笑い声が聞こえる、「かつがいでくださいよ、お祖父さん、父さん」 宮藤は呟いて前を向き直して、また自転車を漕ぎ出した。
令和6年9月23日
心幸
秋恋
秋には秋の色をした
男を見つけて恋をする
ヤボだね おまえはいつまでも
私を追いかけついてくる
バカバカしいのよ
お前の愚痴など 聞きあきた…
アン・ルイスカッコイイよね
あの頃は ストーカーなんて言葉もなかったけど、本当近頃は気持ち悪い男も多くたまに女もいるからたちが悪い。
誇大妄想気味で必用に追いかけて来る執念の怨念は、難破船の怨歌か?ヤベーな、どんなけ陰湿(笑)
せめて 少しは
格好つけて くれ
潔く 恋は引き際が肝心
令和6年9月21日
心幸
大事にしたい 〜彼女のblues〜
「大事にしたい」と思いました
そう言いました
それは嘘じゃなかったし
今も嘘じゃない
「愛している」今もなお
だから 二人は別れを決めました
二人で 名前を消して
二人で 灯りを消して
二人で 鍵を閉める…そんな歌がこれほど沁みる日が来ると知りました
この 命はあなたに託します
ひどい 女と思ってくださいと伝えて
「大事にしたい」と思いました
そう言いました
それは嘘じゃなかったし
今も嘘じゃない
それは 彼女だけが知っている真実
「愛している」今でもずっと
だから、あなたを置いて行きました
ベルが鳴り 光が彼女を呼びました
何時ものように 愛の歌うたいます
どうぞ 憎んでください
どうぞ 自由に生きなさい
どうぞ 反省はしても後悔はしないで
そう 生きなさい
反面教師にしているうちは
大人な子どものままよきっと
捨てられた子どものまま
彼女のbluesは響かない
彼女は 今日も
何時ものように 愛の歌うたいます
大事にしたい想いを 心の奥に仕舞
後悔しないで 歌いあげます
大事にしたい 喝采に向い
令和6年9月20日
心幸
時間よ止まれ
幻でかまわない
時間よ止まれ
生命の めまいの中で…♪
もう、昭和は「時間よ止まれ」と言われればこの歌詞しか思い浮かばない。
1978年の資生堂CMソング、まだ化粧なんて似合わない年頃だったけれど、海辺を歩くモデルの美しさをときめきと羨望の眼差しで見つめていた事を思い出す。
あれから、時間は止まらず流れて、化粧も覚えそして、化粧なんてどうでもいいと呟く時になる、、、。
今こそ、時間よ止まれ
まぼろしーぃに 変わる前に
時間よ止まれ
生命の めまいの中で…♪
クラクラ(笑)
令和6年9月19日
心幸