お題「桜散る」
桜散るらむ 桜散るらむ
また、この季節が終わる。
もう気遣いを忘れた笑い声。まだ人見知りを引きずるぎこちなさ。
人畜無害を謳う風が、不躾も恥じず、窓の外から流れてくる。
性懲りもなく散った桜は、未来ある者への気配りか。巣立った者への餞別なのか。
清楚な振りした桜自身も、ずる賢くも、初々しい芽生えを予期させている。
手付かずなのは、自分だけ。何もなさず、何も変わらず、ただ散りゆく桜に取り残され、空虚な今に、落ちたまま。
恨むのは飽きた。妬むのは諦めた。
夏の苛立ちも、冬の涙も、何の意味もないことは、もう、痛いほど知り尽くした。
だから、せめて、証を残そう。
無意味で、無価値で、何の役にも立たない、身勝手で、下らない、このわだかまりを。
さあ、何をしようか。
何もできなくて、何でもできる、未来も過去も知らない自分。
今の自分は、誰より自由だ。不安も怖れもないのだから
桜散るらむ 桜散るらむ
桜散るらむ 桜散るらむ
お題「夢見る心」
一人きりになって、埋もれる様に泣く。
くしゃくしゃになった現実が、手の中でふやけて破れた。
できると思ってた。負けないと思ってた。
自分はこの為に生きているのだと、必死に言い聞かせてきた。
でも、それはただの強がりだった。
ごめんなさい。過去の自分。あなたの努力に報いる事が出来なくて。
ごめんなさい。未来の自分。あなたと約束した明日を、描き出す事が出来なくて。
小聡明い自分が、無理せず素直になっていればよかったのだと、あざけ笑う。
それでも、天邪鬼な自尊心は、綺麗なままでいる事なんて出来なくて
壁を握り締める。
歯を食いしばって、震える嗚咽を、力任せに飲み込む。ボヤけた視線を上げて、ボロボロになった「今」をゴミ箱に投げ捨てた。
何も変わっちゃいない。何も手放しちゃいない。自分は自分のまま、まだここにいる。
負けてたまるか
涙を蓄えた瞳で、自分自身を睨みつけた。