コンクリートを染める雫は
僕の涙か空の涙か
さよなら君よ
憂鬱な雨の日
後悔と懺悔の時間
幸せを願う
なんて僕には出来ない
ただ笑顔の絶えぬよう
祈るだけ
Title¦梅雨
今日はよく晴れているね
星が綺麗に見える
私達は橋の真ん中に寝転がって夜空を見ていた
彼は星に詳しく私は今まで色々な事を教えてもらった
でも今日の彼は少し変
僕はきっと蛇の心臓を見に行くよ
そう言って彼は空を指差した
そんな事より話したい事があるんだ
君、遠距離恋愛は嫌かい?
………………
まぁ嫌だと言われてももう僕は決めてしまったんだ
君には辛い思いをさせるかも知れないが僕だって辛いんだ
でも僕は君の事見てるからね
彼は立ち上がった
そして欄干を掴み身を乗り出す
何か見えるのかと私も立ち上がる
その瞬間彼の姿は消えた
川に落ちてしまったのか
私は慌てて彼が掴んでいた欄干へ駆け寄った
でも彼の姿はどこにもない
そう、どこにもいない筈
それなのにどこからか声が聞こえた
上を見てご覧よ
橙色に光っているあの星
あれがコル • ヒドラエ、蛇の心臓だ
僕はあそこで君を待ってる
僕はずっと君を待ってる
だからゆっくりおいで
あの日の夜彼が自宅で息を引き取ったのだと後から聞いた
何故彼はあの星を選んだのか
天文学を勉強していて気が付いた
彼は最期まで優しかった
コル • ヒドラエ
またの名をアルファルド
孤独なものという
Title¦天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
俺は昔貧しい家に生まれた
親には虐待され学校では苛められ
これから先も惨めな人生を送るのだろうか
そう思った
でも運命を変えるのは自分だ
その言葉を胸に必死で耐え、抗い、生き抜いた
結局最後に頼れるのは自分だけだとそう悟った
そんな俺は今その長い生涯を終えようとしている
目を覚ますとそこは冥界の門
それはそれは小さな神に
俺は告げられた
お前は地獄行きだ、と
そして俺は生まれた
見慣れた、見飽きた地球に
人間として生まれた
そうだ俺は何て勘違いをしていたのだろう
ここは地獄の最下層だ
Title¦天国と地獄
君は気怠げに足を投げ出した
大樹の根本で静かに眠った
あの日の約束果たす
最後に一度だけ抱き締めて
祈り捧げる
僕の願いを聞かなかった
どこぞの神を睨み付けて
もう笑う事の無い君
置き去りにして駆け出す僕の頬に涙伝う
永遠に君よさようなら
Title¦突然の別れ
私の彼氏は酒癖が悪い
いつも酔っ払って帰って来ては私を殴る
でも普段は優しいの
とても優しいの
きっと私を殴るのは日々のストレスのせい
全部社会のせい
大好きな彼氏に殴られたら
その痣さえ愛おしい
どんな事を言われてもどんな事をされても私は平気
だっていつも最後には優しく抱き締めてくれるんだから
愛も恋も嘘だから
そう友達は言うけれど
この恋は
この恋だけは
本物なのよ
Title¦恋物語