ずいぶんと昔から、私は貴方のことを、貴方より知
っていた気がしますね。
とにかく優しい貴方なら、これから辛く感じる事も
あるでしょう。でも自分に自信を持ってください。
なんど倒れても立ち直れる、芯も強いあなたなら、
たとえこの先大きな壁にぶつかっても、難なくそれ
を乗り越えられる。私はそう信じています。
お困りの時は、すぐにでも頼ってください。何時で
もお助けします。話を聞きます。貴方に出会えた事
うれしく思います。
まだ伝えたい事がありますが、もう最後にします。
また会いましょう。
不器用な私から、愛する貴方へ。
大切な貴方に伝えたい。
ひとつ、無理をしないこと。
ふたつ、しっかり眠って、日を浴びること。
みっつ、苦しい時には頼ること。
綺麗事だけで生きていけないのはわかっています。
貴方が本当に苦しい時、私には何も出来ないのかもしれない。
そんな時には全て忘れて、死んだように眠ること。
生きてさえいれば100点満点を取れるわけではありませんが、それの何処が悪いのか、私には分からない。
何処が遠くの地に住む、愛する貴方へ。
これが私の、精一杯の愛言葉。
「行かないで」
そんな言葉は虚空に消えた。
天使に恋をした。
それは叶わないと知っていつつも、それ以上に君は美しく、愛らしく、艶やかだった。
巡り会う度、君に同じことを聞いた。
「傍にいさせて」
君は決まって
「なりません、天使の翼がもげてしまいます」
と返す。
それでも諦めきれない。10年、100年、1000年先でも良い。いつか、君を掴むから。
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あの人は、何百年と、私に言い寄って来る。
本当は嬉しい。けれど、私はあの人と結ばれてはいけない。これは天使の掟。
...それでも、あなたが私を、10年、100年...1000年先までも求め続けてくれるなら。
私の翼はもげてもいい。
きっと明日も、会えるから。
私はみんなに「またね」って言う。
みんなは私に「またね」って返してくれる。
こんな素敵なことはあるだろうか。
なんの心配もなく「またね」が言える私たちには、「さよなら」の気持ちが分からない。
けど。
卒業式の今日。もしかしたらその気持ちを分からないと行けない日が来たのかもしれない。
けど。やっぱり。
「さよなら」じゃなくって、「またね」でお別れしよう。
きっといつか、会えるから。
突然の通り雨で濡れてしまった。
いけない、どこかで雨宿りしなくちゃ。
とりあえず近場のコンビニへ駆け込み、体を拭くタオルとビニール傘を手に取ってレジに向かった。
ああ、雨なんてひとつもいいことがない。
こんな風な天気でいい気分の人なんてごく少数派だろうな…。
コンビニを出ると、隣のクラスの子を見かけた。
部活も一緒だし、男子にはすごく可愛いって評判の子だけど、あまり話したことは無いし、みんなその子を変わってるって言うから、話しかけづらくもある。
その子は傘をささずに濡れながら歩いていた。その表情に陰りを感じたので、少し迷って、そっと話しかけてみた。
「ねえ、私の傘入る?」
「いいよ、私雨が好きだから。」
確かに変わってるって思う。でも、それ以上に、雨はこの子を飾り立てているようにすら思えてくる。確かにこの子には雨が似合う。
「そうだ、駅まで一緒に行こうよ」
この雨で、この子は磨かれているんだろう。それにこの子は悪い子に見えない。
「いいよ、行こ」
雨の日の出会いに、かけてみるのもたまにはいいかもしれない。