白亜

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8/24/2024, 1:04:51 PM

君とずっと対等になりたかった。

いつも、君は誰よりも、何よりも輝いていた。宝石なんかでない、太陽の輝きにあまりにも近い君のとなりに、私はいていいのか。

きっと、私は月だ。君がいるからみんなに気付いてもらえるんだ、とやるせない気持ちで胸が一杯になってしまった。

でも、君にはとてもそんなこと言えない。
今日も私は、太陽に照らされ光る。

いつか輝きを纏い、君のとなりに並んで、心からの笑顔で笑えたら、その笑顔で君を照らし返せたら。

8/20/2024, 2:30:19 PM

君にさよならを言う前に、少しだけ時間が欲しい。
あまりにも心の準備が出来てなくて。

「嘘でした」
って、笑ってくれてもいいんだよ、
「見たことない表情してんね」
って、茶化してくれたっていいんだよ。
そんな風に、だんまりされると、私も心の整理をしなきゃなんだなって思っちゃうよ。


そんな急にどうしたの。
一体いつ、君はなにか悪いことをしたというの。

いい加減に口を聞いてよ。一緒に花火したいねってつい最近言ったのに。行きたかったお店にも、一緒に行けなきゃ意味が無いよ。


そろそろ目を覚まして。
それか、これが丸ごと夢であって、早く醒めて。

永い眠りにつく君に、なんて声をかければいいの。

8/19/2024, 1:56:43 PM

この連日、空模様があまり良くない。
夏らしいと言えば夏らしいけど、もっと「爽やか」な夏を期待していた私にとっては、これはとても理想の夏とは言えない。

今日は久々に大きく広がった青空を見た気がする。
遠くに浮かぶ入道雲。あっちは大雨が降るかもな、とぼんやり考える。

大きく大きく、私の背丈の何百倍も、高く高く。

いつかあの雲を見こせたら、空模様も何も気にせずに、あんな風に悠々と漂うことが出来るだろうに。

7/7/2024, 10:50:39 PM

君と何時から会ってないかな。それでも連絡は頻繁に取り合っていたし、お互い元気だという報告も必ずしていた。そしてお互い、毎回こう誓う。
「また、いつか絶対会おう、あの祭りに一緒に行こう」

家庭の事情で海外に行った君。国境という川が僕らを隔てているように感じる。こんなに連絡を取っているのに、直接顔を合わせられないもどかしさと、こんなに近く感じているのに、川の流れが邪魔で渡れない苦しさから逃れられない。

今夜は七夕。天の川を隔てた2人が1年に1度だけ鵲の渡す橋を渡って会うという、伝説の夜。本来は学業などの上達を願うものらしいが、きっと織姫と彦星にはこのどうしようもない気持ちがわかるはず。笹の葉に願いを込めた短冊をそっとかけた。

星に願いを。

6/13/2024, 10:00:35 PM

急な夕立なので、小さな折り畳み傘で帰らなければならなくなった。
私は梅雨は大嫌いだ。
ずっと雨に降られている気がするし、心なしか気分も悪くなる。それに、偏頭痛も酷くなる。できれば梅雨なんて、1日でも少ない方が私はありがたい。

ふと道端の花を見た。
見事なほどに水色のあじさい。形容するなら、夏の昼頃の空の色。太陽が空の頂点にいる時の、透き通った青い空。

梅雨のせいで空はねずみ色の雲に覆われて、空が見えない日が続いていたけど、このあじさいの色が、私に夏が来ること、そろそろ空も見られると教えてくれたんだ、多分。

夕立は少し穏やかになり、雲の隙間から太陽が顔を出した。そして、虹がねずみ色の空を彩っていた。

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