街なか、スマホ。
君の名前を見かけると気になってしまう。
似たような文字の配列だっただけのときは
自分の囚われ具合に苦笑いする時もある。
日常のなかでは
君の名前も存在さえも忘れて
仕事や自分の時間に没頭しているのに
もう、私の脳内には刻み込まれているらしい
君に出逢ってから、私は
決まり文句「だって歯磨き粉じゃん」を
何度も言われながら生き抜いてきた
それがアイスならもちろん
洋菓子でもパンでもチョコでも
とにかく手に入れてきた
チョコミン党──
私にはもったいないほどココロオドル
空に浮かぶ雲はわたがし
青い空はハワイアンソーダ
夜空はコーヒーゼリー
星々はたくさんの金平糖
雪はかき氷
雨は季節ごとに変わるフルーツジュース
大地は色で甘さが変わるチョコレート
草は抹茶のお菓子
そんな世界に行ってみたいな
歌声を聴いて癒されること
何度聴いても涙が溢れてしまうこと
そのパフォーマンスに心が鷲掴みにされること
美しき姿に幾度となく射抜かれること
笑顔でいてほしい
美味しいご飯を食べていてほしい
心癒される景色と音に囲まれていてほしい
大切な人たちと心地よい空間に居てほしい
どうか健康でいて
どうかしあわせでいて
あなたが私を知らなくとも
私はあなたのしあわせを祈る
─これらすべて、あなたに出会えたから。
だから、ありがとう。
徒歩10分の馴染みの銭湯から帰ると
私も彼も身体中がぽかぽかで
そんな身体に染み渡るいちごミルクも飲み干し
心も身体もお腹も大変に満足だった
「もうこのまま寝る?」
頬の赤い彼が言うので
「寝るしかない」とすぐ頷いた
二人でひとつの布団に入ると
彼が、今日疲れたでしょ、と言いながら
私の手をモミモミし始めた
そこから二の腕までを行ったり来たり
「ありがとう、ほんとありがたいんだけど」
「うん?」
実はもっと強くやってほしかったりして、、、優しすぎてたまにくすぐったいのよ、と小声で頼むと
「おっけー!まかせとけ!」とすぐ力が強くなった
よくほぐれていく感覚で気持ちがいい
「ありがとうございます!!!」
モミモミは優しくしないでよね
いつもなら、
目向きもせず通り過ぎていた看板
買わない可愛らしい包装のウエハース
写真も撮らない普段の手料理
それを今や、
立ち止まって看板をよく見て
二つのウエハースを買って
きれいに撮れるまで試している
当たり前の景色に色がついていく
君に出会って