7/3/2025, 12:33:24 PM
遠くへ行きたい
青く高い空に一筋の飛行機雲
訪問先へ急ぐ途中
足止めされた赤信号の前で
汗を拭いながら空を見上げた
あぁこのまま
あの飛行機に乗って
どこか見知らぬ土地に
じめりとした空気とは違う
碧い海と
海をなぞる涼やかな風を……
そんな妄想を打ち切るように
さぁ現実のアスファルトを踏み締めるのだ
と、ばかりに
青色の電子音が鳴り響いた
7/2/2025, 1:12:57 PM
クリスタル
グラスに放り込んだ宝石
どこまでも透き通り
凹凸なく整えられた面に
琥珀色を注ぐ
キラキラと輝きを増し
琥珀に溶け出していく
ふわりと香る甘いオーク
グラスを傾ければ
唇にヒヤリとふれ
隙間から流れ出す液体が
甘さと共に喉を焼く
減った琥珀の海で
その透明な石は輝きを増す
7/1/2025, 12:06:59 PM
夏の匂い
不快な湿気を帯びた熱が落ち着いた頃
夕立に濡れた蒼の香り
川の音に誘われて
ふらりと夜道を歩く
涼やかな風に
幼い頃の光を探して
見つからない光に
悲しみ
月を見る
ざわめく森がまた
涼やかな緑の香りを運んでくる
夏の夜の
冷たい香り
6/30/2025, 11:34:15 AM
カーテン
ベッド横の大きな窓
お気に入りのレースカーテン
ベッドに乗せた
人をダメにするクッションに包まれて
微睡の中
ふわふわ揺れていたカーテンが
強い風でクッションごと私を包み
外の世界へ
キラキラ降り注ぐ
午後の夢
6/29/2025, 12:13:10 PM
青く深く
夜の帳の先
光なんかいらない
どこまでも
この安寧の闇を
私に