『待ってて』
待ってて、って言ったって
時間はいつも私を置いていってしまう
私はそれについていけずに
ただ後ろをついていく
追いつくことなんてないのに___
『伝えたい』
伝えたい
とっても優しいあの子には、心からの感謝を
真面目で無理しがちなあの子には、少しくらい休んでもいいことを
少し心の弱いあの子には、自分は味方だということを
楽器がすごく上手なあの子には、もっと自信をもっていいことを
仲違いしてしまったあの子には、自分が悪かったことを
いつも話しかけてくれるあの子には、とても嬉しいということを
大好きなあの人には、好きだということを
全部全部伝えたいのに
勇気のない私には、言葉にできない。
『この場所で』
大好きだった親友と
門限まで色々な話をした、この場所で
私はいつも後悔している
小学校4年生の夏休み
いつものように、朝起きて
いつものように、ラジオ体操に行って
いつものように、親友と会って
いつものように、他愛ない会話をして
いつものように、私は去り際に「またね」と言って
いつものように、親友も私に「またね」と返してくれた
それが夏休み中ずっと続くと思っていた
夏休みが終わったら、また遊べると思っていた
まさか、もう「また」がないなんて思わなかったから
彼女が引っ越したと聞いたのは
その翌日だった
『どうしてなにも言わずに引っ越してしまったの』
という気持ちでいっぱいで
昔貰った手紙を1人で読んでぼろぼろと泣いた
数年が経った今も、未だにその手紙は捨てられていない
彼女の連絡先も
彼女が引っ越した先も
何も分からない私は
ただこの場所で後悔するしかない
『誰もがみんな』
誰もが皆幸せではないことを、私は知っている。
私がゲームをしている時、
病に苦しんでいる人がいること。
私が友人と遊んでいる時、
孤独に苛まれている人がいること。
私が文章を綴っている時、
言葉を知ることすら出来ず亡くなる人がいること。
私が暖かい部屋にいる時、
寒さに凍えている人がいること。
誰もが皆幸せでないことを、私は知っている。
私が独りで泣いている時、
友達と話して楽しげに笑っている人がいること。
私が死にたいと思う時、
人に軽々しく『死ね』なんて言えてしまう人がいること。
私が明日なんて来ないでくれと願う時、
綺麗事を吐く人がいること。
私が嘘をつかれて嘆いている時、
平気で嘘をつく人がいること。
誰もが皆幸せでないことを、私は知っている。