秋風なぎさ

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3/7/2023, 11:29:22 AM

淡く光る雲の隙間から顔を覗かせる月。
今日は満月かな。
明日は晴れるかな。
そういえば、となりに住んでた大学生のお兄ちゃん、元気かな。
そんな他愛もないことを考えながら今日も夜道を散歩する。
夜の風は冷たく私を包み込む。
昨日の風で散ったのだろうか。
昨日まで空に手を振っていた桜の花びらは、今は色を濃くした絨毯と化している。
今日もなんだかんだ良い日だったな。

3/6/2023, 12:34:45 PM

私には友がいる。
誰にでも平等に接し、器用で、勉強もある程度できるので、憎む人はおらず、クラスから人気である。
対して私は対角線上の存在である。人によっては性格から変え、教室の隅で絵を描き、誰か気を遣って話しかけてきても、思っていない言葉が出て(といって悪いことは言っていない)、自分を人から遠ざけている。孤独を感じることはない。もう慣れたことだ。
そんな私に彼女はなんの躊躇いもなく話しかけてくる。私と彼女はただの見掛けの友でありなんの愛も友情もない。某ヒーローもがっかりの関係である。周りからどんな目で見られているかわからない。なのに彼女は私の肩に顎を乗せ、楽しそうに話す。私はそんな彼女が嫌いだ。大嫌いだ。どこか胸がときめいてしまうその笑顔も、大して高くない身長なのに一生懸命私の肩に顎を乗せようとするその姿も。なぜか一緒にいると笑ってしまう私の心も。全部全部大嫌いだ。