秋風なぎさ

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私には友がいる。
誰にでも平等に接し、器用で、勉強もある程度できるので、憎む人はおらず、クラスから人気である。
対して私は対角線上の存在である。人によっては性格から変え、教室の隅で絵を描き、誰か気を遣って話しかけてきても、思っていない言葉が出て(といって悪いことは言っていない)、自分を人から遠ざけている。孤独を感じることはない。もう慣れたことだ。
そんな私に彼女はなんの躊躇いもなく話しかけてくる。私と彼女はただの見掛けの友でありなんの愛も友情もない。某ヒーローもがっかりの関係である。周りからどんな目で見られているかわからない。なのに彼女は私の肩に顎を乗せ、楽しそうに話す。私はそんな彼女が嫌いだ。大嫌いだ。どこか胸がときめいてしまうその笑顔も、大して高くない身長なのに一生懸命私の肩に顎を乗せようとするその姿も。なぜか一緒にいると笑ってしまう私の心も。全部全部大嫌いだ。

3/6/2023, 12:34:45 PM