彗星

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7/2/2025, 6:35:38 AM

題:夏を感じる

 海沿いの風光明媚な街。そこは夏になると観光客が押し寄せる有名な街です。
 その美しい海に、地元の魚を使った美味しい料理。夏を快適に過ごすために必要な要素が全て揃っている。
 そんな街に、私も立ち寄っています。
 私が今いる場所は、向日葵の咲き乱れる公園です。
 海の香り、向日葵の香りーー。
 夏の匂い。

お題『夏の匂い』

7/1/2025, 8:15:53 AM

題:溢れる光

 自室のカーテン。そのカーテンは、風で揺れている。宇宙には風は吹かないが、ロゼッタの魔法がそれを可能にしている。
 新しく替えたベージュのカーテンからは、太陽の柔らかな光が溢れている。 
「ママ、綺麗だね!」
「そうね」
 ロゼッタはチコとカーテンから溢れる光を見て笑っていた。
 ーーこんな風に、この子達の未来も光で溢れていますように。
 ロゼッタは、チコの顔を見ながらそう祈った。
「あ、ママ、夜ご飯の時間だよ!」
「あら、そうだったわね。では、行きましょうか」
「うん!」
 光の空間から、二人は下へと向かうため、離れていった。

お題『カーテン』

6/29/2025, 10:39:20 AM

題:群青

「ねぇねぇ、『青く深く』っ言われたら何を思い浮かべる?」
「『青く深く』……ですか?」
「そう!」
「そうですね……。海、でしょうか」
「やっぱり!?」
 ピーチが幼い子供の様にロゼッタに顔を近づける。ロゼッタは、『はい』と言って、話を続ける。
「『青く』とだけ言われれば、空や星が思い浮かびます。でも、『深く』も加われば、深さを思い浮かべるため、海だと思いました」
「結構考えて言ったのね。私は特に考えずに言うわ」
「当たり前でしょう。ところでピーチさんは何を思い浮かべたのですか?『やっぱり』ということは、やはりピーチさんも海でしょうか?」
「ふっふっふっ、私はね……」
 ピーチは不気味に笑いながらニヤつく。
 ロゼッタは、ピーチのその笑い方とニヤつきに、少し引き気味である。
「リンクよ」
「………ふぇ?」
 変な声が出た。
 何故そこでリンクが出てくる?
「ほら、リンクのイメカラ(イメージカラー)って青でしょ?」
「そうですけど、『深く』の理由は?」
 ピーチはまたニヤつく。
 ロゼッタは、ニヤつきが止まらないピーチを本気で心配している。
「ロゼッタに対する『深い』愛よ」
「………ふぇ!?」
 また変な声が出た。顔が真っ赤になる。
 ピーチはそのロゼッタの様子に、少し満足そうに言う。
「だってリンクって、ロゼッタに対してはかなり優しいし、ロゼッタを大切にしてるっていうか……」
「いやいやいや、優しいのは誰に対してもですよ!?私以外のことも大切にしてますよ!?」
「その否定の仕方は、ロゼッタもリンクのことを……?」
「違いますってば!!!!」
 最後は顔を限界まで赤くして、全力で否定する形になった。
 その後、ピーチはロゼッタと別れた。
 帰る途中、ピーチは独り、呟いた。
「わかりやすいのよ、あんたは。リンクのこと好きなの、バレバレよ」
 呟いた後、ピーチは思いっきり伸びをした。
「さーて!恋愛の大先輩として、ロゼッタのことを全力でサポートしなきゃ!付き合うとこまで持ってかなきゃね!」
 濃い群青色の空に向かって、そう宣言する。
(見てなさい、リンク。あんたを『好き』から『愛してる』にしてやるんだから)
 ピーチは誰もいない平原で、拳を突き上げた。

お題『青く深く』 

6/28/2025, 6:33:31 AM

題:羽ばたきましょう

 自分の知らない場所に無性に行きたくなる時って、ありませんか?
 実は、私にもあるんです。
 私の知らない星の海へ、世界へ、行きたくなることがあるんです。
 でも、皆さんと会えなくなるかもと思うと、飛び出せないんです。
 えっ、分かる?ふふっ、ありがとうございます。
 勇気がないっていうのは否定しません。でも、いつかは行かなくちゃって思ってるんです。
 何ですって?貴方も未知の世界に行く勇気が無いと?私と同じなんですね。少し安心しました。
 ……それでも私は、チコの想いを無下には出来ないんです。だから、行きたいんです。
 それじゃあ、一緒に行こう?二人だったら、不安も半分?……ふふっ。
 分かりました。では、一緒に、羽ばたきましょう。
 まだ見ぬ世界へ!

お題『まだ見ぬ世界へ!』

6/26/2025, 1:36:03 PM

題:百年後まで

「もう、いいんです、もう……!貴方だけでも、逃げて!」
 俺の後ろで叫ぶゼルダ姫。ガーディアンの動き回る音。人々の逃げ惑う声。
 ーー悪夢だ。
 そう、思った。今、ハイラルは厄災と戦っている最中だった。ハイラルはずっと厄災と戦ってきた。その度に現れる退魔の剣を持つ勇者と、聖なる血をひく姫、そして英傑達。
 俺達は今から一万年前のことに倣って、厄災を迎え討つ予定だった。
 英傑達を神獣の操り手とし、勇者も、姫もいる。……なのに。
 この現状はどうだ。英傑達は全員厄災に殺され、未だゼルダ姫の封印の力も目覚めない。
 ーー終わり、なのかな。もう、これ以上は、無理なのかな。
 俺の身体はもう限界だった。ものすごい量の血が流れ出ている。正直、此処まで逃げ仰せられたのは奇跡だろう。
 ……俺は身体に残る微かな力を振り絞って立ち上がった。
 ーー見つかった。
 ガーディアンに見つかった。
「っ…!」
 ゼルダ姫が後ずさる。ガーディアンはガラクタと化したガーディアンを踏み、俺達を見下ろすと、俺の頭に照準を合わせる。
 もう俺には、抵抗する力が残っていなかった。
 ーー…死んじゃうな、俺。……もっと皆と、居たかったのにな。
 死を悟った俺は、意外にも冷静だった。
 するとゼルダ姫は、俺を押しのけ、ガーディアンの前に立ちはだかった。
「やめて!!」
 ゼルダ姫が右手を突き出すと、その手の甲が光り始めた。……トライフォースの紋様を浮かび上がらせて。
 周囲は光に包まれ、数秒後、ガーディアンから怨念が抜け、ガラクタとなった。
「……私、これ……」
「……っ…」
 足元がぐらついて倒れた。
「……!お願い、死なないで!」
 ゼルダ姫が俺を抱き起こして懇願する。
「……ケホッケホッ……っ」
「あぁ……!」
 力が抜けた。何も言えなかった。意識が薄れていく。
 ーー貴方の最後の声が『死なないで』なんて……。もっと、元気な声が聞きたかった……。……ごめんね。

 ……………………。
 
 今、俺は生きている。そして、ハイラルを旅しながら、厄災を討つ。
 英傑達のお墓参りには行っている。
 ーーゼルダ姫、今度は、元気な声を、聞かせてくださいーー。

お題『最後の声』

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