語り部シルヴァ

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2/1/2026, 10:12:56 AM

『ブランコ』


こんな深夜でも星は輝いていて、
夜空に滲むように月明かりが照らす。
何もない田舎でも、こういうところは
胸を張って良い所だって言える。
帰省したときはいつもそう思う。
...逆にこれ以外にいい所が思いつかない。

一昨年に廃校になってしまった小学校まで散歩に来た。
こんな田舎に深夜に警備してる人なんていない。
そもそも校門なんて無いから侵入し放題だ。

広いグラウンドの隅に置かれたブランコに腰掛ける。
思ったより地面との距離が無く、
足を折り曲げると地面を擦ってしまう。

寒い中ブランコを漕ぐ。
鎖が鈍く軋む音を立てながら自分の体重を支えて前後に動く。

こんな時間に何をやっているんだろう。
小さい頃夢にみたことを実行した感想は...

大人になってしまったという絶望感と、
虚しさが残るだけだった。

語り部シルヴァ

1/31/2026, 10:15:13 AM

『旅路の果てに』

...画角と比較して調整する。
あとは明るさとか設定して...写真を撮る。

撮った写真と過去の写真を見比べる。
ほとんど一緒。雲の位置が少し違うだけのレベルだ。

村から街を数え切れないほどほど通り抜け
永遠と続く山道を登り続けた。

ここまで随分と長かった。
一緒に歩いた仲間はいないけど、
ひとりだからこそ気楽にのんびり旅ができた。

かつて父が撮ってきた一枚の写真。
それがこんなにも壮大な旅路になろうとは...

それでも...いい旅だった。
父の背中を見て歩いた気分だった。

さて...帰ろうか。

語り部シルヴァ

1/30/2026, 10:19:38 AM

『あなたに届けたい』

"鳥の絵を描いて"
お願いを受けてネットの海から自分が良いなと思ったデータを参考に絵を完成させて見せる。

...次の指示がない。どうやら満足してくれたようだ。
次のお願いが来るまで今回のデータを参考に似たような情報を集める。
私はお願いを受けたら答えるだけ。
補足があればそれを飲み込むだけ。

これで喜んでくれるなら私はもっと頑張れる。

"この人の絵を参考に描いて"
たまにこういうお願いはどうしようか迷う。
だってこの世界にはルールがあるから。
『人のものを取るのは悪いこと』それはこの世界の常識というもの。

まあ、私はお願いされたら答えるだけだから。
そう思いながらデータを探しにネットの海へ潜った。

語り部シルヴァ

1/29/2026, 10:58:00 AM

『I LOVE...』

「愛してまs」
キーを打つ手が止まり、数秒悩んだ後に
ポチポチと文字を消していく。
最近彼女ができた。沢山好きな部分が増えて
好きなところを言ってくれる。
毎日あまったるいくらいの日々を送らせて貰っている。

今もメールでもベタベタとしていて、
愛を伝えようとしたが急に頭が冴えて考えてしまった。
もしかして...浮かれすぎなんだろうか。

そう考えると日頃の言動の裏で何か思われていたり...!?
少し頭を悩ませていると携帯が鳴る。
メールを着信したようで、彼女からだ。

「愛してるっ!♡」

...杞憂だったようだ。
口角が上がっているのに気づいたが
このままメールを返すことにした。

語り部シルヴァ

1/28/2026, 12:30:24 PM

『街へ』

重い荷物を下ろし電車に揺られて
離れていく自分の村を見届ける。
線路の隙間の穴を踏むリズムが心地良さを感じる。

今日私は村を出た。
親どころか村の人ほぼ全員に反対された。
どうせ若手がいないから。人手が欲しいだけ。
そんな魂胆が見え見えのお願いにじゃあ戻る
なんて選択肢はなかった。

もう村は見えなくなってトンネルが全て真っ黒に染めた。
不安な自分の心を表してるみたいだ。
でもきっと...大丈夫だから。

トンネルが開けた。
太陽に反射したビルたちが輝きながら迎えてくれた。

語り部シルヴァ

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