語り部シルヴァ

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12/11/2025, 10:15:15 AM

『夜空を越えて』

普段から手に届かなかった空も今なら届く。
...分厚い鉄さえなければ。
窓越しに見るとビルの群れが光り地上と
空の両方に星が見えるようでまるで別世界にいるみたいだ。

そうしていくうちに雲が地上を覆い隠す。
雲の上は...透き通った宇宙がちらっと見える。
地上からだとぼんやりしていた宇宙が
端っこだけだがこんなにも綺麗に見えるなんて...

空の旅をしてよかった。
普段なら見ることのできない景色だって
見れるんだから...
国を超えて空を超えて、
宇宙の端っこを見ることができて...

いい旅になりそうだ。

語り部シルヴァ

12/10/2025, 11:18:14 AM

『ぬくもりの記憶』

枯葉に体を埋めて眠る。
こんな寒い日にはこれに限る。
寒い夜はいつも暖かい場所のことを考える。
日が差す日中の公園とか少しボロい四角形の機械とか...

けれど一番頭に残ってるのは、頭を撫でられた時のぬくもり。
小さい頃頭を撫でられたことがよくあった。
今じゃその手はどっかに行ってしまったが...

毎日は鬱陶しかった。
けれどそれよりも嬉しさが勝っていた。
あぁ...今日はやけに寒さを感じない。
あの温もりが私を包んでくれているような気がする。

今日は...ぐっすり...眠れそうだ。

語り部シルヴァ

12/9/2025, 10:19:21 AM

『凍える指先』

指が痛い。
ポケットに突っ込んでも寒さを凌げてる気がしない。
いつもハンドクリームで保湿できてるはずなのに
指先が乾いて服の生地に引っかかる。

手袋を忘れた。
寒さが指先に刺さって風が染みる。
本当に指先だけが凍っている感じだ。

さっさと帰りたいのに今日は外せない用事がある。
我慢して用事を終わらせないと...

ポケットから手を出して自分の息を吐きかける。
赤くなった手は少し割れてしまった。

あー...また一から手入れし直しだ。

語り部シルヴァ

12/8/2025, 10:43:01 AM

『雪原の先へ』

少し沈む明日を何とかして持ち上げ
一歩ずつ白い山を登り切る。

登りきった先の辺り一面は雪景色。
木々は見えずフェンスは視界の端っこにようやく
ちょこんとあって、ただ太陽の光が
反射してキラキラと光る雪。
すごく綺麗な景色だ。
スマホを忘れていなかったら絶対に写真を撮っていただろう。

今からここを下る。
毎年ここに来ているがまだどうにも慣れない。

けれど形は上手くなってきた。
あとは楽しむ気持ちさえあればモーマンタイ。
深呼吸して足をずらすように動かす。
板は斜面を滑り始める。

足が少し強ばって心臓が滑る速度に合わせて脈打つ。
ターンも綺麗に決まる。
ひとつ、ふたつとゲートを滑らかに通る。

...綺麗にゴールを決める。
ひとりだと集中できるけど、誰かと滑ってみたいものだ。
リフトを目指しもうひと滑り決め込むことにした。

語り部シルヴァ

12/7/2025, 10:17:04 AM

『白い吐息』

息を吐けば白くなって空の青に溶けていく。
楽しくなって何度もやってしまう。
白くなくなったらマフラーで口を温めて休憩。

ずっとやってしまうのはなんでだろうか。
大人になった今でも癖で続けてしまう。
休憩の仕方が変わっただけで、
今はコーヒーで口を温めている。

僕が休憩している間もコーヒーは
僕を真似て白い息を空に吐いては青に溶ける。

コーヒーを飲んで胸の中心がぽわぽわしてくる。
また白い息が吐けそうだ。

語り部シルヴァ

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