『白い吐息』
息を吐けば白くなって空の青に溶けていく。
楽しくなって何度もやってしまう。
白くなくなったらマフラーで口を温めて休憩。
ずっとやってしまうのはなんでだろうか。
大人になった今でも癖で続けてしまう。
休憩の仕方が変わっただけで、
今はコーヒーで口を温めている。
僕が休憩している間もコーヒーは
僕を真似て白い息を空に吐いては青に溶ける。
コーヒーを飲んで胸の中心がぽわぽわしてくる。
また白い息が吐けそうだ。
語り部シルヴァ
『消えない灯り』
風に吹かれるようにゆらめき、
優しい明るさを絶やさず灯りは優しく部屋を照らす。
今はすごい時代になった。
ロウソクのような明かりを
ライトで表現出来るようになった。
おかげで電気さえあれば
消えることの無い優しい灯りを味わえる。
強いていえばロウソクのように
あったかいわけじゃないから、
厚着はしないといけないが...
それでも揺らめく灯りはずっと見ていられる。
灯りは、時間を止めたかのように
消えることなくずっと照らし続ける。
語り部シルヴァ
『きらめく街並み』
会社を出るといつもの風景。
行き交う車と人。半数がスーツを着て帰路の途中。
寒くなってマフラーや
モコモコした上着を着てる人が多くなった。
俺もそのひとり。
この時間になってくると居酒屋から
焼き鳥の香ばしい匂いが漂ってくる。
そんな誘惑に負けじと歩き進める。
もうすぐクリスマスで商店街やデパートは
装飾がきらびやかに...
都会は眠らない街なんてよく言う話だ。
ビルの明かりでさえもイルミネーションに見える。
早く帰ろう。
いつもの街並みに見とれてしまっては日が昇ってしまう。
けれど、クリスマス本番の賑やかさは少し楽しみだ。
語り部シルヴァ
『秘密の手紙』
先生が通り過ぎ背中が見えた瞬間にアイコンタクトで
サッとノートの切れ端を渡す。
ふざけた内容に思わず声が出そうになるも必死にこらえる。
次にチャンスまでに返事の内容を書き込みタイミングを待つ...
後で話せばいいだけなんだけど...どうしてか今したくなる。
先生に怒られるかもしれない。
けれどそれ以上にこの状況で話したくなる。
先生が通り過ぎた瞬間に手を伸ばす。
「こら。」
先生に怒られてしまった。
こうなってしまったら相手に悪いと思ってしまう。
それでもまたやりたくなるのはなぜだろうか。
相手も同じことを思ったのかアイコンタクトをとった。
語り部シルヴァ
『冬の足音』
強い風が吹く。
昨日まで平気だった風もより寒くなった。
寒さが増している。
12月になったんだ。秋の過ごしやすさなんてものは風に吹かれてどっか行ってしまった。
歩くと木枯らしが枯葉を乾いた音を立てて吹き飛ばす。
この音が余計に寒さを感じさせる気がする。
...明日はもっと厚着しよう。
肩を竦めてポケットに手を突っ込んで歩く。
枯葉と共に木枯らしに吹かれながら...
語り部シルヴァ