『僕と一緒に』
いつだって君は泣き虫だ。
メソメソすんなよと笑顔で肩を軽く叩くと決まって
「だって、でも、」なんて言う。
ウザったいとか思う人もいるだろうけど
君は昔からそうだから僕は全然気にしない。
それに、なんだかんだ君は僕と一緒がいいって言う。
そんなこと言われたら庇護欲?だっけか。
そんな感情も芽生えてしまうもんだ。
でもきっと疚しい気持ちがなかったら
君を助けもしないのかと言えば違うだろう。
僕も君と一緒がいい。
だから君も僕と一緒にこれからも進もう。
優しく微笑みながら君に手を差し出す。
僕の手を掴む君を見て悪戯げに「甘えん坊だなあ」
とからかってやる。
君は顔を真っ赤にしながらも繋いだ手を離す気配はなかった。
語り部シルヴァ
『cloudy』
目が覚めて飛び起きる。
きっと遅刻している。
スマホで時間を確認した瞬間全てを諦めた。
...まさかの全蹴り。
友達からのメッセージや電話が山ほど来ていた。
ちゃんと起きろよ自分...
暑さで起きるとかさ...
そう思いながらカーテンを開けて天気を確認すると
分厚い雲が空を覆っていた。
開けた窓から吹く風は涼しいし
お昼過ぎなのに暑さを感じない。
もう残暑も終わりそうだ。
やっと涼しくなると思う一方自分の力で
ちゃんと起きないと行けないと思うと気が滅入る。
いや大学生なんだからひとりで起きろよって話だけども...
授業は間に合わなかった。
とりあえず連絡をくれた友達全員返すことにした。
語り部シルヴァ
『虹の架け橋🌈』
あれ、ここはどこだ?
さっきまで昼寝をしていたはずなんだけどなあ...
足元は短い草が足をくすぐってくる。
風は春みたいな優しくて眠気を誘うように吹いてる。
でも家のベッドがいいなあ...
よし、探しに行こうか。
伸びをして歩き始める。
キョロキョロと周囲を見渡しながら歩く。
家族のみんなはどこだろう...みんなは家にいるといいな。
しばらく歩いていると見たことの無い橋がかかっていた。
虹色だ...絵本とかで見せてもらったあれに似てる。
この先にみんないるかな...
たたたと走り出して虹の架け橋を一気に駆け抜けた。
みんながいるかもしれないと思うと
揺れる尻尾が止まらなかった。
語り部シルヴァ
『既読がつかないメッセージ』
トーク画面を開く。
今日も既読は付いていない。
やっぱり...内心期待はしてなかった。
けれどもしも来てたらどれだけ嬉しいことだろう。
ふわふわと浮かび携帯を胸にギュッと当てる。
そのままくるくると回っていると壁に頭をぶつけた。
...痛い。
他のみんなはまだ寝てる。
私も眠たいけどやっぱり君からのメッセージが
来るかもしれないって思うと眠れない。
窓に目をやる。
青い地球に大きなクレーター。
君は生きてるよね?私たちは奇跡的に生きてるよ。
食料が尽きたらそこで終わりだけど。
...このまま既読がつかないことは考えないよ。
こんな状況でメッセージに
既読がついて欲しいって願うのはワガママなのかな。
語り部シルヴァ
『秋色」
寒さで目が覚めた。
最近クーラーを付けず窓を開けていたが今日は寒かった。
くしゃみを一回して今日は汗で
ベタついていないことに気づいた。
結局はシャワーを浴びるけどいつもよりかは目覚めがいい。
カーテンを開けると綺麗な青空が広がっていた。
さすがに日中は暑いかもしれない...
けれどゆっくりと秋に塗り変わっていってるようで
少しだけ明日が来るのが楽しみになる。
窓に近づくと網戸越しにひんやりと冷気を纏う風が
少しだけ吹いている。
早く秋色に染まって欲しい。
優しい日差しの下でのんびり散歩でもしてみたいから。
風に当たって目が冴えてきた。
はっとして時計を見ると時間が迫っていた。
急いでシャワーを浴びなきゃ。
そうやってドタバタする1日が今日も始まった。
語り部シルヴァ