語り部シルヴァ

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9/5/2025, 11:48:19 AM

『信号』

深夜に散歩をしてみた。
この時期はまだ少し湿気があるが
夏に比べると随分と涼しくなった。
月夜の下の道はぼんやりとした明るさで眩しくもない。
気持ちのいい夜だ。
そう思いながら歩いているとピカピカと何かが光る。
よく見ると街灯の下で男女が騒ぎながら
夜景を撮っているようだ。

あまり写真には写りこみたくないなあと思いつつ
別ルートを歩こうとした。
すると女性がカメラのフラッシュを
明らかにこちらに向けて光らせている。それも連写だ。
おいおい...勘弁してくれ...
そう思って早足に去ろうとした。

しかし何かおかしい気がする。
どうせフラッシュを使うなら街灯を避けないだろうか。
写真に詳しい訳じゃないがどうにも引っかかった。
フラッシュも連写にしては不規則で
パターンがあるようにも見える。

3回短く光って1回長く光ってまた3回...
なにかマズイかもしれない。
そう思って警察に電話することにした。

後日警察から男女のトラブルが
もう少しで大事になるところだったと連絡が来た。

語り部シルヴァ

9/4/2025, 10:21:58 AM

『言い出せなかった「」』

言葉が詰まった。
いや、出しても無駄だったというのが正しいだろう。
あれが夢オチだったとしてもそれが本当になってしまうなら?
誰だって喉が潰れるくらいあなたを呼び止めるだろう。

でも私が呼べばあなたは止まってくれる?
笑顔で帰ってからねと口癖のように
軽い言葉で返される。
私はあなたを呼び止める力を持っていない。
だからこそ、あなたがきちんと帰ってくることを信じてるよ。

あなたが出ていったドアに向き、にゃあんと鳴く。
静かだった。当然だ。これはドアだ。
あなたじゃないから返事が帰ってくるわけなかった。

わかってはいるのに鳴き声が止まらない。
早く帰ってきて。

語り部シルヴァ

9/3/2025, 10:54:51 AM

『secret love』

あ、まただ。
机の中には丁寧に折られた紙が一枚入っていた。
私が落ち込んでいる時や悲しい時とかにいつも入っている。
紙を開くと"大丈夫。ひとりじゃない"と一文書かれていた。
何が大丈夫だ、何がひとりじゃないだ。
なんて最初は思っていたが緊張していたのか、
震える字を見て真剣さが伝わってきた。

なんとなくだけど、この人は本心でそう思ってくれている。
真剣に私を元気づけようとしている。
そんな風に取れた。
友達に言えば手紙の人が気持ち悪いと知らない所で
傷つけられるかもしれないから黙っている。

誰が私になぜこんなことしてくれているのかを
正直知りたいとは思う。
でも知ってしまえばこの人は手紙を
送ってくれなくなるかもしれない。

だから私は知りたいと思う気持ちを胸に押し込めて、
手紙にありがとうと念を込めた。

語り部シルヴァ

9/2/2025, 12:15:43 PM

『ページをめくる』

最近話題の小説を買ってみた。
その文章はとても不思議で読むと
頭に想像するのが容易になる。
人の会話のシーンが、殺人を起こすシーンが、
物語の結末を決めるシーンが、簡単に想像できる。
頭の中で映像を流してるようだ。

ページが気になるところで区切れていた時の
ドキドキが今までにないくらい感じる。
そしてそれと同じくらいに続きが気になって
右から左に並ぶ文字を見て
ページをめくる手が止まらなくなる。

その手が止まったのは日がどっぷり沈んだときだった。
次をめくっても暗くて見えずに
当たりを見回した時にはその暗さに驚いた。

その手は部屋の明かりをつけるとすぐに動き出した。
体が物語の展開を欲していたんだ。

語り部シルヴァ

9/1/2025, 10:45:46 AM

『夏の忘れ物を探しに』

暑い...もう9月に入ったにも関わらず気温は37度を超えている。
昔からこんなに暑いものだったかな...?
8月の終わりには涼しくなって9月に入る頃には涼しい...
みたいなイメージだったんだけどなあ...

昔の話だからで括られてしまえば
それまでだけどもっと涼しくあってもいいと思う。
早く秋が来て、涼しい風と気温の下のんびり散歩でもしたい。

暑さに負けてコンビニへ避難する。
涼みながら陳列された商品を眺めて
目に入ったアイスを掴み買う。
コンビニを出て屋根の下でアイスを食べる。

夏が忘れた暑さは別の方法で楽しもう。
ただ...やはり毎日は勘弁して欲しいな。

語り部シルヴァ

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