語り部シルヴァ

Open App
9/4/2025, 10:21:58 AM

『言い出せなかった「」』

言葉が詰まった。
いや、出しても無駄だったというのが正しいだろう。
あれが夢オチだったとしてもそれが本当になってしまうなら?
誰だって喉が潰れるくらいあなたを呼び止めるだろう。

でも私が呼べばあなたは止まってくれる?
笑顔で帰ってからねと口癖のように
軽い言葉で返される。
私はあなたを呼び止める力を持っていない。
だからこそ、あなたがきちんと帰ってくることを信じてるよ。

あなたが出ていったドアに向き、にゃあんと鳴く。
静かだった。当然だ。これはドアだ。
あなたじゃないから返事が帰ってくるわけなかった。

わかってはいるのに鳴き声が止まらない。
早く帰ってきて。

語り部シルヴァ

9/3/2025, 10:54:51 AM

『secret love』

あ、まただ。
机の中には丁寧に折られた紙が一枚入っていた。
私が落ち込んでいる時や悲しい時とかにいつも入っている。
紙を開くと"大丈夫。ひとりじゃない"と一文書かれていた。
何が大丈夫だ、何がひとりじゃないだ。
なんて最初は思っていたが緊張していたのか、
震える字を見て真剣さが伝わってきた。

なんとなくだけど、この人は本心でそう思ってくれている。
真剣に私を元気づけようとしている。
そんな風に取れた。
友達に言えば手紙の人が気持ち悪いと知らない所で
傷つけられるかもしれないから黙っている。

誰が私になぜこんなことしてくれているのかを
正直知りたいとは思う。
でも知ってしまえばこの人は手紙を
送ってくれなくなるかもしれない。

だから私は知りたいと思う気持ちを胸に押し込めて、
手紙にありがとうと念を込めた。

語り部シルヴァ

9/2/2025, 12:15:43 PM

『ページをめくる』

最近話題の小説を買ってみた。
その文章はとても不思議で読むと
頭に想像するのが容易になる。
人の会話のシーンが、殺人を起こすシーンが、
物語の結末を決めるシーンが、簡単に想像できる。
頭の中で映像を流してるようだ。

ページが気になるところで区切れていた時の
ドキドキが今までにないくらい感じる。
そしてそれと同じくらいに続きが気になって
右から左に並ぶ文字を見て
ページをめくる手が止まらなくなる。

その手が止まったのは日がどっぷり沈んだときだった。
次をめくっても暗くて見えずに
当たりを見回した時にはその暗さに驚いた。

その手は部屋の明かりをつけるとすぐに動き出した。
体が物語の展開を欲していたんだ。

語り部シルヴァ

9/1/2025, 10:45:46 AM

『夏の忘れ物を探しに』

暑い...もう9月に入ったにも関わらず気温は37度を超えている。
昔からこんなに暑いものだったかな...?
8月の終わりには涼しくなって9月に入る頃には涼しい...
みたいなイメージだったんだけどなあ...

昔の話だからで括られてしまえば
それまでだけどもっと涼しくあってもいいと思う。
早く秋が来て、涼しい風と気温の下のんびり散歩でもしたい。

暑さに負けてコンビニへ避難する。
涼みながら陳列された商品を眺めて
目に入ったアイスを掴み買う。
コンビニを出て屋根の下でアイスを食べる。

夏が忘れた暑さは別の方法で楽しもう。
ただ...やはり毎日は勘弁して欲しいな。

語り部シルヴァ

8/31/2025, 10:44:34 AM

『8月31日、午後5時』

忘れられない夏休みだった。
思い返せば今年の夏休みはそう感じた。
テストが終わって部活だけのために学校に行って
部活が休みで予定が合えば君に会いに行った。

二人で食べたアイスとか
夏にピッタリなホラー映画を見たりとか
夏祭りにも行った。
沢山の思い出を君と作った。
そして夏が終わるのと一緒に君との物語も終わった。

君のことだ。復縁したいなんて言うことは絶対無いし
僕も言う勇気は持ち合わせてない。

僕たちの...いや僕の思い出は人からすれば
青春という二文字で纏めてしまうようなものかもしれない。
僕にとっちゃ二文字じゃ...言い表せれないけどね。

明日からまた学校が始まる。
君が隣のクラスで良かったと思う日が来てしまうとはね。

夏休み最後の夕陽が沈む。
それでもなお火照りが残る世界も明日には冷めてるといいな。

語り部シルヴァ

Next