「秋風」
ようやく暑さから解放される。
涼しい風、澄んだ空気は嗅覚を鋭くする。
鬱陶しい暑さからやっと逃げられるのに寂しいのはなぜ?
命を脅かすような暑さだったのに涼しくなると
風が吹くと寂しいのはなぜ。
「また会いましょう」
さようなら。
向こうで待ってるね。
君は美味しいもの食べて、綺麗なものをみて。
沢山笑って、沢山泣いて
「私が行けなかったところに連れてって。」
そう言い残して彼女は亡くなった。
君はいいよね。もうこの世にいないんだから。
言ったもん勝ちじゃん…ずるいよ…
そんなこと言われたら生きていくしかないじゃない。
彼女に色んな景色を見せるために。
いつかの土産話にするため。
まだそっちには行ってあげられないな。
「スリル」
せっかちだから、待たせたくない。
余裕が欲しい。
だから早く仕事も終わらせたい。
でも人を教えるっていうのはそうもうまくいかない。
(うわぁ〜これ間に合うのかな)
内心いつも焦る。
でも私が焦りまくったら後輩はもっと焦るよね。
先輩って難しい?!!
ひとりだったら自由だけれど、間に合わないかもしれないスリルは私に毒のように感じられる。
「飛べない翼」
焼けてしまって機能しない翼。
命まで奪われてないんだし落ち込まないでよ。
あんな翼無くなってせいせいしたよ。
なんて君は言うけれど、
君のその翼はどれだけの人を助けてきたの。
どこまでも遠くへ自由に飛んでいたじゃない。
大きな翼で飛んでいる姿が大好きだった。
どこにいても、困ったら飛んできてくれるあなたが
かっこよくて大好きだった。
でも、地面に降りてきてくれんだね。
空は君の領域だったけれどどこか遠い気もしていたんだ。
だから近くにいてくれるのもいいかもね。
「意味がないこと」
真っ直ぐ向き合いたい。
誠実に真剣に人の痛み悼みを和らげたい。
私が代われるなら、請け負えるなら…
それぐらいの覚悟で勇気で仕事をしている。
でも現実は甘くなくて。
厳しい現実、言葉をもらうことの方が多い。
だからたまに私の信念は意味のないことなのかもしれない。
そう思ってしまう。
伝わらないことばかりで、それでも見えてしまって、感じてしまって。
誰にも共有出来ない。
苦しくて意味を見失いそう。
深い闇に落ちてしまいそう。
評価されるために働いてる訳じゃない。
堪えろ、堪えろ…
だめだ、あぁ、私はこんな人達のために働いてたんだ…。
意味なんてないな。人のためとか馬鹿みたい。
みんな好き勝手言って、私の覚悟なんて誰も知らないくせに。
私の過去なんて誰も知らないくせに。
誰も分かろうなんてしなかったくせに。
誰も手を伸ばそうとしなかったくせに。
今更なに。遅いよ…
あの時助けて欲しかったんだよ。あの時声をかけて欲しかったんだよ。ずっとひとりで暗い道を歩いてきた。
結局助けたいんじゃなくて助けられたいんだよな…
それも人間らしいんじゃない?
迷いながら進めば良いんじゃない?
きっと意味はいつか見つかる。
それまで正しいと思う方向に賭ければいい。
私が絶対に意味を見つけて見せる。
絶対に必要だったって。あれがあったから今幸せだっていつか必ず証明するから。
だから負けないで。
意味がなくても。