一尾(いっぽ)in 仮住まい

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12/22/2025, 11:46:37 AM

→え、えっと……

    召される1秒前の風景、とか?


テーマ; 光の回廊
    (モチのロンで、天国行の自信は皆無)

12/21/2025, 2:10:13 PM

→根雪


かつては初雪のように白く輝いていた未来への希望も、年を経るごとに、今ではすっかり根雪になった。重く沈み、踏み固められ、塵芥にまみれている。
美しくはないが、自分を自分たらしめる足場になっていることも確かである。


テーマ; 降り積もる想い

12/20/2025, 2:49:28 PM

→短編・彼と彼女をつなぐリボン

彼は、十数年ぶりに彼女に再会した。
その時まで、彼はすっかり彼女のことを忘れていたが、彼女の優しい微笑みと、その髪に揺れる褪せたリボンが、彼の記憶を呼び覚ました……――。

彼の知的レベルはほんの少し人とは異なっていて、人は彼を見下すけれど、彼はその特性―つまり個性―から、他人の嘲笑に気がつくことはなかった。
そして、彼女だけが彼を正しく理解していた。彼女は彼を愛した。彼女は断言する。あなたは集中力が高いがゆえに物事の理解に時間を必要とするが、その深度は深い、と。
彼は彼女の言うことがよくわかっていなかったが、褒められたことは理解できた。初めて彼は自信を得た。
彼は彼女のために何でもしてあげようと奮闘した。彼にとって彼女はお姫様だった。
彼は持ちうる技術を使って、彼女の髪を飾るリボンをこしらえた。明るい空色のリボンだった。彼女は彼の心配りにたいそう感動した。その日から、彼女の髪にリボンが揺れていた。
一方で、移ろう日々や人々の活動は、彼女を彼のそばに留めて置かなかった。人々の残酷で親切な感情が、彼から彼女を奪い去った。
残された彼は、彼女の立ち去った理由を理解できなかったが、やがて彼女のことを忘れてしまった。彼は記憶の持続が苦手だった。
ずっと長い時間、彼は独りでいた。それほど苦ではなかったが、楽しくもなかった。ぽっかりと心に穴が空いているようだった。彼女の面影が去来することもあったが、時間の経過がすべてを霧の彼方に押しやってしまった。

そして、彼は彼女に再会した。
彼女は、周囲に流される形で彼と別れた後、ずっと彼との再会方法を模索した。彼女にとって、彼の純粋な心は、宝石よりも夜空の一等星よりも輝かしく、彼女を温かい気持ちにしてくれた。彼を探す旅は、困難を極めたが、彼女はあきらめなかった。彼女の愛は、強くしなやかだった。
だからこそ再会したとき、彼女は彼にすぐに気がついた。
しかし、記憶能力に乏しい彼はしばらく彼女を思い出せず困惑していた。
彼の記憶の強張りを解かしたのは、彼女の変わらぬ愛情と、彼の愛情を形にしたリボンだった。
かつて彼が拙い技術に愛情を込めて作り上げた夏の空色のリボンは、すっかり色褪せ、まろやかな冬の晴れ間色に変わっていた。ムクドリの夫婦が彼女のリボンに寄り添って休んだ。彼女が鳥たちからリボンを取り上げることはなかった。
彼は、彼女の優しい瞳と、くたびれ褪せたリボンに、かつての自分の情熱のあとを見つけた。
「優しい仕事には、優しさが集うのです」
彼女は謳うように言った。

そうして、彼は再び愛を得た。しかしそれは新しい愛ではなく、二人をずっと繋いでいた愛の具現化だった。
彼女は周囲から何を言われようが、彼から離れることは二度となかった。

彼の人生は、ちょっと幸せではない時と、とても幸せなたくさんと時間に彩られている。


テーマ; 時を結ぶリボン
     

12/19/2025, 3:32:19 PM

→晴れの日、冬


手のひらをね、
太陽に向けたらね、
あったかいよ。


テーマ; 手のひらの贈り物

12/18/2025, 3:51:48 PM

→不燃物の処理方法

心の片隅で埃をかぶっている感情や記憶を、大掃除で一掃したいものだけれど、そういうライフハックか、便利グッズって、誰かご存知ありません?

テーマ; 心の片隅で

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