→短編・全て暑さのせい。
その年の猛暑はいっこうに治まる気配を見せず、太陽はこれでもかとギンギラに輝き続けていた。まるで永遠に夏が続くようだった。
人々は、疲弊していた。
あまりに暑いと、なんかどうでもよくなる。面倒なことはやりたくない。働く気力もない。同じ汗かくならフェスのほうがイイ。
そうだ! これは全て暑さのせいだ☆ フェスに行こう! 夏をパーリー❣❣ イェーイ❣❣❣❣❣❣ イェーイ❣❣❣❣ イェ〜イ❣ イェ……
こうして人々は、終わらない夏を彷徨うパーリーゾンビになっていった。
「……」
大学で所属している文芸サークルで出題されたテーマ「終わらない夏」用のストーリー案の出来の悪さに私は頭を抱えた。ありえんだろ、この展開。アタマ悪すぎ。
それもこれも、夏の暑さのせいだ。暑さが私の思考能力と集中力を奪っていったせいだ。決して私の想像力が陳腐だからではない。
それにしても、暑いなぁ〜。来週からまた暑さが増してくるって? マジか〜。ん? SNSのメッセージ。なになに? BBQのお誘い?
締め切り近いし、行くのはキケン。でも、今日、1日暑くて、ダラけて何もしてないし、夏の1日をこのまま終わらせるのもなんだし……、1日くらい、遊ばなきゃ、ね?
よし! 行こう! こう暑いと、遊ぶしかないもん。他は何もやりたくない。締め切りは?? ちょっと見なかったことに。
ん~~?? そういえば、先週も、アレ? 昨日も?? 飲みに行った? ま、まぁ、深く考えても仕方がない! とりあえず、パーリーだ! 今日も、明日も……。
テーマ; 終わらない夏
→こんな毎日が、そこそこ楽しい。
遠くの空へと思いを馳せる前に、
目の前の雑事を片付けよう。
例えば、夜7時にやってくるお題とか……。
テーマ; 遠くの空へ
→語彙力で補いきれないとは……
ずいぶんと多感なのですね。
テーマ; !マークじゃ足りない感情
→睡眠導入効果の覚書。
心に残る景色の数々で、アルバムを作る。
眠れない日、羊を数えるように、そのアルバムを瞼に思い浮かべる。
1枚、1枚とアルバムをめくるうちに、思い出の景色は夢へと溶け込んでゆく。
もし良かったら、君もどうぞお試しあれ。
君が見たいつかの景色を夢でもう一度……。
テーマ; 君が見た景色
→――ッッッ!!!!!!
ホンマにビビったときの、
喉に張り付いた叫び。
テーマ; 言葉にならないもの