→いつでもしぶんにあまい
引きこもりには、夏の陽光は眩しくて、目を開けてらんないから、とりあえず角膜保護のため、室内にこもっておこう。
テーマ; 眩しくて
→愛の余韻
じっとりと、密度の濃ゆい寝具の熱。
絡みつく二つの身体の熱。
貴方の胸から聴こえる命の音。
わたしを満たし、眠りに誘う。
熱い夢を見るだろう。
テーマ; 熱い鼓動
→王道を征く。
某アクションRPGで、褪せ人となり、祝福の導きに誘われて、王を目指す。
敵の数は無数で、どう見ても疲れた兵士とか、必要以上にやる気の兵士とか、虫っぽいヤツとか、霊体?とか、神とか、とにかくバリエーションに富む。
王になる前に死ぬのは本望ではないので、こっそりと背後に忍び寄り、タイミングを狙ってグサッと致命の一突きを決める。
姑息?? いやいやいや、だからさ、王になる使命を背負ってるんだもん。多少は小狡さも必要だってば、ね?
テーマ; タイミング
→短編・住宅街の往来で。
「あ、すみません。道をお尋ねしたいのですが」
前から歩いてきた人から、そう尋ねられた私は「来たな」と私は、頭の中に近隣の地図を描き出した。
私は、よく人から道を聞かれる。すれ違いざまはもちろん、旅行先や、はたまた車を運転中の人(私は徒歩)にまで。友人が言うには「道を知ってそうな顔」なのだそうだ。
そして実際にけっこう答えられているし、そうしているうちに何となく答えることへの矜持もできてきた。可能な限り、でも間違いなく案内してあげたい。
さぁ、どこだ? この住宅街ど真ん中で、どこを訊かれる?? 頭の中に地図を思い浮かべる。
その人は、目的地を口にした。
「虹のはじまりってどこですかね? この辺りと聞いたんですけれど、初めて来た場所なので不慣れなのです」
気構えていた私の頭は混乱で真っ白になった。
へ? に、虹のはじまり?? そんな都市伝説級の場所、知らねぇよ。
聞き間違い? でも、聞き返すのも怖い。申し訳ないが……「いやぁ〜、知らないッスね」
「お引き留めして申し訳ございませんでした」と丁寧な謝罪とともに、その人は私とすれ違い、私の来た方へと歩いていった。
一方で、私は混乱した頭のまま、ぼんやりと立ち尽くしていた。
虹のはじまり? 店の名前? あり得る。でも、この辺って住宅しかないしなぁ。あ~、「虹のはじまり」って何なんだよ! まさか本当に「虹」の「はじまり」でもなかろう。
私は、尋ね人を振り返った。まださほどの距離も離れていないはずだ。
「あの! すみません!! 虹のはじまりって……――!!」
しかしその人の姿は、真っ直ぐに伸びる住宅街の街路のどこにもなかった。
住宅に阻まれた狭い空の向こうに、虹が見えた。
テーマ; 虹のはじまりを探して
→ひんやり、ひやひや、たとえ一瞬でも!
夏場のキッチンは地獄である。
だって、火ぃ使うやん? 熱いもん。
庶民のマンションのキッチンやし。クーラーの風、リビング止まりやねん。
しかも、料理の手順を組むの苦手やし。
……最後のが、キッチン云々関係ないないとしても、とにかく夏場のキッチンでの長時間作業は、辛い。
ほんなわけで、冷蔵庫の冷気はマジでオアシス。
テーマ; オアシス