→夏の音。
熱を凝縮したような夏の、
ほんのささやかな風が、
リン、レン、リンと音が運んできた。
硬質で透明な音色。
蒼空に、
硝子結晶の五線譜。
リン、レン、リン。
小さな風鈴が、
どこかで鳴っている。
テーマ; 風鈴の音
→ホントにいいの?
そんな無防備に、
体だけ放ったらかしにしてたら、
乗っ取っちゃうゾ☆
テーマ; 心だけ、逃避行
→短編・自宅警備班。
冒険ッスか?
けっこうやってますね。
え? なんすか? その目、疑ってる???
あ~、そういうことか! 自宅警備班だと思ってた? この部屋にキャンプグッズが一つもない? そりゃそうッスよ。整理整頓はしとかなきゃ。
まだ疑ってるぅ〜!
いやいやいや、こう見えて、けっこう命知らずなンすよ。
キャンプ設置して、肉焼いて、周囲を探索して、ハチミツ探して、釣りやって、虫取りやって、採掘して……あっ、もちろん集会所でのモンスター討伐依頼!
これぞハンターライフってね。
……ん? 何の話って、冒険でしょ?
某狩猟ゲームで。
あれ? 何か間違えた??
まぁいいや。
よっしゃ!
一狩り行こうぜ!
テーマ; 冒険
→扉
ロマンチックな交流方法に、海にメッセージボトルを流したり、風船で手紙を飛ばしたりってのがある。
知らない誰かに届くことを願う手紙。
それは新しい世界への扉に似ている。
七夕の笹と短冊を燃やした行先は神様だと言うけれど、もしかしたら、その灰は宇宙人に届くかもよ。
何はともあれ、メッセージボトルでも、風船の手紙でも、願い事の短冊でも何でもいい。
あなたに開け、新しい扉。
テーマ; 届いて……
→夏の思い出
貝殻を耳に押し当てるように、
ラムネの瓶を頬にあててみた。
遠い昔のことを、思い出す。
夏休みに訪れていた、
おばあちゃんの家。
漬物や卵や野菜、
そこにラムネの瓶。
私たち孫用に、
買っておいてくれたのだろうな。
久しぶりに飲んだラムネの喉越しに、
夏の景色。
テーマ; あの日の景色