一尾(いっぽ)in 仮住まい

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6/28/2025, 4:07:46 PM

→夏が来る。

 空の蒼が深くなり、雲との境が鮮明になる。雲の白が際立つ。日陰が建物にこびりつくように黒く短くなる。
 長袖から半袖へ一気に駆け抜けるように、服装が変わる。衣替えも間に合わないような変遷。
 少し外を歩くだけで、肘の内側に汗が溜まり、薄手の服の下に熱が籠もる。
 昨日まで飲んでいたコーヒーや紅茶よりも、炭酸水が飲みたくなる。弾ける水の喉越しが、暑さを喉から弾け飛ばす。
 昼間、気だるい気温に包まれて、私は本に手を伸ばす。
 もう何度も読んだマルグリット・デュラスの作品たち。ラマン、モデラート・カンタービレ、夏の夜の10時半、C'est tout.……
 デュラスを読むのは、絶対に夏だ。


テーマ; 夏の気配

6/27/2025, 1:44:10 PM

→時間、そのベルトコンベアは止まらない。

「まだ見ぬ世界へ!」
そんなに気炎を上げなくても、時計の針が1秒進むたびに、世界は一歩先へ。
ね?
あなたがこの短文を読む前と後のたった3秒ほどでも、そこはもう別世界。


テーマ; まだ見ぬ世界へ!

6/26/2025, 3:34:55 PM

→ひ弱なんですよ。

 最後の声というものが、誰かとの別れに繋がることを指す言葉なら、人間未熟者の私には耐えられないので、そんなものは考えたくもない、です。


テーマ; 最後の声

6/25/2025, 1:43:47 PM

→先だってのことでございますが……、

 あなたを鼻白ませたあのお節介も、もしかしたら小さな愛の表れだったのかもしれませんね。
 相すみません。お耳汚しを致しました。どうかお忘れ下さい。


テーマ; 小さな愛

6/25/2025, 2:01:13 AM

→空

 海のない内陸出身、且つ2階建てひしめく住宅街育ちの私にとって、空は切り取られた小さな破片だった。
 旅行の移動手段で、初めてフェリーを利用した。
 大海を割るフェリー。そして頭上に、空。
「空って広いな」としばらく見ていたら、首が痛くなった。





テーマ; 空はこんなにも

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