→秘めたる寝台
眠る貴方の胸に頭を乗せる。
規則正しく繰り返される鼓動。
人によってその神秘のメロディは違うのだとか。
貴方の命の音に、私は耳を澄ませる。
テーマ; 君だけのメロディ
→愛の行方
「愛してる」
日本語で面と向かって言われたら、それは愛の告白なんだろうなって思うけれど、
「I love 」の場合は、最後まで気を抜いてはいけない。変に浮かれちゃってからの続きが「my dog」だったら、目も当てられない。もちろん「mu cat」でも結果は同じ。いや、もしかしたら犬派か猫派への会話に至って、2人の距離が縮まる可能性も……―って、私は何を書いてるんだろうか?
愛の行方を探ろうなんざ、野暮天もいいところだ。
テーマ; I love
→深夜に雨
しかも大雨
すっごい音がしてた
ちょっと怖いくらいに
まるでドラム
雨音ドラム
でもね
部屋の中
さらにベッドの上
そしてシーツに包まってたら
ウトウトウトウト……
いつの間にか
子守唄
テーマ; 雨音に包まれて
→わたくしの考えるところ
美しさの定義は人それぞれ、千差万別である。個人的な価値観のフィルターを通して見るものが、全統一であるはずがない。好きな言葉ではないが、「多様性」というのは、こういう時に使う表現なのかもしれない。
ところで、今日とても美しいものを見た。
アプリを開くと、何もない画面に「美しい」。それだけ。これが「美しさ」なら、さほど感動しなかったんだろうが、形容詞「美しい」だ。奥行きを感じる潔い簡素さ。
それが私にはとても美しく感じられた。
テーマ; 美しい
→短編・彼らの世界の有り様
「ねぇ、先生? どうしてこの世界は私に意地悪なんだろう?」
彼女の呟きが、放課後の静かな教室に落ちた。
その淋しげな声音に、教卓で書き物をしていた私は顔を上げた。
教室には彼女と私の2人。窓際の座席に座る生徒と、教壇の教師。近い距離ではない。普段の教室だったなら、彼女の疑問は私の耳に届くことはなかっただろう。
それでも今、私は確かにその声を聴いた。思春期真っ只中の少女から発せられた哲学的な問い。それは決して無視できるものではない。
私は書き物をしていたノートを閉じた。
彼女は取り組んでいたプリントの手を留め、私の言葉を待っている。瞳に浮かぶのは、答えへの期待だろうか?
私は彼女を納得させるべく、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「意地悪じゃなくて、補習。テストやるからねって言っといたのに、まったく準備してなかったのは誰?」
彼女は唇を突き出し不満を表したものの、再び黙ってプリントに向かい始めた。
無防備なコミュニケーションを縦横無尽に操り、世界の主人公は常に自分たちにある多感で無敵な10代の若者たち。それが故に彼らの問いは、壮大で無秩序で、愛らしい。
補習を受けることすら、彼らにとっては世界と直結する大異変なのだ。
さぁ、頑張って。
テーマ; どうしてこの世界は