→短編・彼らの世界の有り様
「ねぇ、先生? どうしてこの世界は私に意地悪なんだろう?」
彼女の呟きが、放課後の静かな教室に落ちた。
その淋しげな声音に、教卓で書き物をしていた私は顔を上げた。
教室には彼女と私の2人。窓際の座席に座る生徒と、教壇の教師。近い距離ではない。普段の教室だったなら、彼女の疑問は私の耳に届くことはなかっただろう。
それでも今、私は確かにその声を聴いた。思春期真っ只中の少女から発せられた哲学的な問い。それは決して無視できるものではない。
私は書き物をしていたノートを閉じた。
彼女は取り組んでいたプリントの手を留め、私の言葉を待っている。瞳に浮かぶのは、答えへの期待だろうか?
私は彼女を納得させるべく、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「意地悪じゃなくて、補習。テストやるからねって言っといたのに、まったく準備してなかったのは誰?」
彼女は唇を突き出し不満を表したものの、再び黙ってプリントに向かい始めた。
無防備なコミュニケーションを縦横無尽に操り、世界の主人公は常に自分たちにある多感で無敵な10代の若者たち。それが故に彼らの問いは、壮大で無秩序で、愛らしい。
補習を受けることすら、彼らにとっては世界と直結する大異変なのだ。
さぁ、頑張って。
テーマ; どうしてこの世界は
→あなたとおさんぽ
チヨちゃん、チヨちゃん、どこ行くの?
かかさまのお使いに参ります
お花畑を歩きます
チヨちゃん、チヨちゃん、どこ行くの?
桃色、水色、紫色、なんてきれいなお花畑!
かかさまのお使いはお花畑の向こうです
チヨちゃん、チヨちゃん、どこ行くの?
チヨの横をツバメさんが飛んでゆきます
ツバメさん、ツバメさん、追いかけっこ!
チヨちゃん、チヨちゃん、どこ行くの?
ツバメさんはお空の高くにゆきました
チヨはお空にはゆけません
チヨちゃん、チヨちゃん、どこ行くの?
ここはどこ?
あれは何?
倒れた三日月?
横向きの大きな赤い三日月
どんどんどんどん大きく……あれは、お口?
チヨちゃん、チヨちゃん、お待ちしておりました
…………
チヨちゃん、チヨちゃん?
あゝ、もうおしゃべりは終わりですね
甘くて柔らかいチヨちゃん
ようこそ私の中にいらっしゃいました
テーマ; 君と歩いた道
→これは世紀の大発見?
「夢見る少女のように」
仮に、この表現の意味するところが、幻想的お花畑的なものならば……
実はね、少年もその手の夢を見るんですってよ。
テーマ; 夢見る少女のように
→皆様にとって露ほども必要ないニュースなんやけど……
今日、誕生日やねん。
「さあ行こう、新しい真っさらな1年を」
自分で自分に誕生日の祝福メッセージ送ってみた。
……うっわぁ〜。
YouTubeのサムネにしても、再生回数二桁もいかんくらいに陳腐や。
この1年も、まぁこんな感じなんやろな。
よっしゃ、ぼちぼち生きて行きますわ。
テーマ; さあ行こう
→フフフ……
ついに私の超常の力を、皆様にお見せする日が来てしまいましたね!
何と!
6月1日に今日のテーマを先取りしているのです!
これを予知能力と言わずに何と呼べましょうや!(泪)
テーマ; 水たまりに映る空
真相は6月1日(雨上がり)をご確認ください。
※なお、「雨上がり=水たまり」の想像平凡説についてのご意見は受け付けておりません。