一尾(いっぽ)in 仮住まい

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10/23/2024, 3:27:35 PM

→短編・進路希望調査用紙と屋上

あ~、何もかもメンドクサイなぁ。
将来とか進路とか、なぁ……。
たった一枚の紙切れが重い。
真剣に考えなきゃいけないんだろうけどさ、全くノープランだわー。しかも、皆、案外考えてんだよなぁ。
置いてけぼり感が、また辛い。

うー、ヤな落ち込みモードに入りそう。
よし、決めた!
確か……、こうやって、ここを折って、こっちは谷折り?
うん、いい感じじゃない?

私は、さっそく紙ヒコーキを飛ばした。
どこまでも続く青い空に白い紙ヒコーキが飛んでゆく。

第一志望も第二志望も、空に飛んでいったので、
今日だけ、今だけ、私は『私』を休むことにした。
なぁんにも考えず、ぼんやり昼寝するのさ。

テーマ; どこまでも続く青い空

10/23/2024, 2:40:36 AM

→短編・名作探訪 第87回 
     天麩羅屋台『天』の『衣替え』

『天』は、全国津々浦々を行脚する天麩羅屋台だ。
 地どれの食材にこだわり、その土地の気候風土を加味して天麩羅に仕上げるので、同じ食材でも土地によって味が違う。例えばニンジンなどは、寒い地方では甘く、暖かいところではさっぱりと風味が立つ。店主の食材への深い愛情と探究心の所以だろう。
 さて、メニューを持たないことで有名な『天』には、年に2度だけの特別コースがある。
 それが、時候をコンセプトに掲げるコース『衣替え』である。人々が季節に装いを整えるように、『天』の天麩羅も時候に合わせて衣を変える。
 コース『衣替え』は、同じ食材を薄衣と厚衣で提供される。衣という装いを変えた食材たちの異なる味わいは、いずれも滋味深いと評判を呼んでいる。
 
電話番号なし、予約不可。
屋台ののぼりを見かけたら、即来店が望ましい。

テーマ; 衣替え

10/22/2024, 3:09:41 AM

→答えのない問い

声が枯れるまで泣いて
本当に僕の声が枯れたら
ちょっとばっかり、
あなたの笑顔を曇らせることはできますか?

急に別れたいと言われた僕は
そんなことを思わずにいられないのです。

これは未練でしょうか?
それとも怨嗟でしょうか?


テーマ; 声が枯れるまで

10/20/2024, 3:05:05 PM

→毎晩のことなんてすけどね、

始まりはいつも
『→    
テーマ; 〜〜〜 』
―と書くところから。
そんで始まる七転八倒からの七転び八起き。
出来が良ければ舞い上がり、
たとえ悪くとも喉元過ぎれば何とやら。
青いハートに感無量。
終わり良ければ全て善し。

テーマ; 始まりはいつも

10/19/2024, 2:29:32 PM

→短編・天気予報

 商店街で夏とすれ違い、思わず声をかけた。
「もう10月だけど、今年の南半球行きはどうしたの?」
「たまには秋の味覚を味わいたくて」と、夏は新米を片手に、魚屋で秋刀魚を買っていた。
 平日狙いでホテルのスイーツビュッフェにも行くらしいので、まだもう少しこちらに滞在予定だそうです。

テーマ; すれ違い

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