〔子どもの頃の夢……なんだっけ?〕
と思って、久しぶりに幼稚園の頃のお誕生日カードを引っ張り出した。先生と一緒に手形ペタペタしたり、将来の夢を書いてた記憶がかすかにあったから。
取り出したるは年長さん、ばら組さん時代である。
うさぎさんとゾウさんと風船とまぁ、カラフルな表紙。
うわ~、懐かしい~と思いながら何の気なしにペラっと表紙をめくった。
「わたしのしょうらいのゆぬは、かべになりたいです!」
……???
待って。………待って???
日本語的な文法がおかしいのはまぁいいや。字が下手っぴなのもいいよもう。めがぬになってるけどいいよなんか、…、かべ??
かべ………、?(放心)
確かに小さい頃から人見知り気味ではあったし、先生におてて繋いで仲間に入れてもらってたよ?でも、周りのみんなが、
「お花屋さん!」 「けいさつかん!」 「先生!」
とか言ってる中、いやまださ、
「人魚姫!」 「仮面ライダー!」「ぷいきゅあ!」
は良いと思うんです。人(?)だし。まだ可愛いよ?
うん。幼稚園生だものね。
壁って…壁って………つまりは無機物では?(混乱)
…あの頃の“わたし”よ、なんでそれをチョイスした?
…この頃からオタク要素が形成されていた?
そんなことはない。から、つまりは、純粋に壁になりたかったってこと、おま、え?どうするつもりなの??
…先生よくニコニコしながら見ててくれたよね…
ありがとう先生。おかげで今の僕は混乱の真っ只中にいます。あの時は逃げ回ってごめんなさい。今もお元気ですか。
あの頃の“わたし”、子どもの頃の夢は、ある意味叶ってるよ、おめでとう。嬉しくないな。
今の夢は、程よく生きることです。あ~、夢がないなぁ。
#子供の頃の夢
追記:震える手で小学1年生の自己紹介カードを見ました。
イラストレーターになりたいって書いてました。
ありがとう、1年生の“わたし”。無機物卒業おめで
とう。
どこにも行かないで。
お願い、僕と一緒にいてよ。
なんて、感情むき出して、言えたら楽だったのにね。
見栄張って、取り繕って、結局言えないや。
友人たちは皆、綺麗になって、美しく羽ばたいて行く。
大人になって行く。
…彼氏出来たとか、彼女できたとか、嬉しそうに話してくれる。幸せそうで、楽しそうで、……哀しい。
僕ひとりだけ、子どもみたいだ。
…友達とられた、とか思っちゃって。
…ひとりだけ、置いてかれたって、思っちゃって。
子どもじゃん、僕。……重たいのかなぁ。
とか、思いながら
ヘラヘラと笑みを浮かべて、
「デート?楽しんできてね!」
「また惚気?アハハ聞く聞く~!」
と手を振るのです。
僕の意地なのです。それは。外ヅラで守っているのです。
もう片方で、服の裾、握りしめながら。
……本当は、どこにも行かないで、って、言いたい。
………貴方は、いつまで僕と一緒にいてくれるかな。
#どこにも行かないで
君の背中が、前から降り注ぐ眩しい光から陰をつくってくれていたの。
だから僕は、安心してついて行けた。
眩しい世界から、君が守ってくれていたんだ。
追って、追いかけて、そのうち追いつけなくなった。
そして気づいたんだ。
君の歩む道が光っていたんだって。
僕だけの道は、ずっと暗かった。
照らしてくれていたのも、君だった。
あぁあ、これからどうしようかな。
君は、もういない。
#君の背中を追って
追記:ハートが300になりました。つけてくださった方、ありがとうございます…!
あの子が好き。
素敵なものも、好き。
美しい人も、ものも、風景も、好き。
推しも好き。
自分だけの、好きがあって。
嫌いなものももちろんあって、あんまり言いたくないけど。マイナスなイメージだものね。
人には嫌われてるものも、好きになったり。
人が好きなものを、嫌いになったり。
重なって、争いになったり、喧嘩になったり。
あれは好き、これは嫌い。
いいじゃん、不干渉で行こうぜ。
あの子はあれが好き、でも自分は嫌い。
それだけ。
そのうち、ひょっこり変わってたり、変わらなかったり。
影響し合って、こっそりハマってたり。とか。
自由気ままでいいんじゃない?
好きなものを好きって叫べること、
嫌いなことも、嫌いって言えること。
それが、人から見てどうであろうとさ、
そう思える心が、
感情が、
“自分”って、やつが、在るってことでしょ?
#好き、嫌い
そう言えは、卒業式も雨だったなぁ…。
なぜか修学旅行とかの行事、毎回雨降ってた。
日頃の行いですね!なんて先生も呆れてたっけ。
「泣くと思う?」
「いや、そういうタイプじゃないでしょ僕達」
「いや、Neroは泣くね」
「泣かないわ!」
なんて、式の前はケラケラ笑ってたけど。
胸にコサージュつけて。
制服整えて。
立ち上がって、返事して。
歌のあたりから割と涙出てきちゃって。
退場のとき、先生も潤んでるの見ちゃって。
涙腺、崩壊して。
ぶっさいくな泣き顔晒しながら退場したなぁ。
…恥ずいな。普通に。
いい式だった。ホント。
いいクラスだった。本当。
クラスの最後の挨拶でね、
いつも泣かない、泣きそうにないあの子が、
ポーカーフェイスのあの子が、
3年間、唯一ずっとクラス一緒だったんです。あの子と。
「仲良くしてくれてありがとう」
「友達でいてくれて、ありがとう」
なんて、泣きながら言ってくれたものだから、
涙止まんなかった。
アオハルかよ。アオハルだわ。
帰るときには、雨も上がってて。
湿った空気、雨の香りのなか。
目の周り赤くして、みんなで笑いながら写真を撮った。
涙の跡、さらり。キラリ。
忘れられない、あの頃のこと。
思い出しては、ほろり、ほっこり。
まぁ、また今度遊びに行くんですけれどね。
リア充じゃないけど、アオハルしてんなぁ。
#雨の香り、涙の跡