オトネコ白玉

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1/3/2025, 3:27:14 PM

「喪中を越える」
今朝も
同じ 日の出
あの日と同じ
陽(ひ)

もう、1年が経ちました
あなたを亡くしてからの年明けは
これが2回目
あっという間の
1年、です

夢を見ていたのでしょうか
いいえ、あなたの遺影を見る度
夢であってくれと
願って
引きずり回していたのは
私の方

今朝も
同じ 日の出
でも、今を照らす
新しい陽
少しずつ前を向くための
新しい


お題:日の出

12/22/2024, 12:47:54 AM

「大空を想うということ」
俺、つくづく大空に恋をしなくて良かったと思うんだ
寄り添いたい時に遠すぎるし
清々しい表皮を撫でることもできず
寒々しい時分に包んで温めてあげることもできないし
涙が落ちる前に口付けをしてあげることもできない

叶いっこないんだ
ひとつとして


大空はそのまま美しいのに、
俺はどんどん変わっていく

だからかな、夕暮れの
切ない赤が広がる時
俺、苦しくなるんだ


俺、臆病なのかな
恋をすることがなんなのかも、よくわかってないのにな
やっぱり、俺、大空に恋をしなくて良かったと思うんだ

お題:大空

12/8/2024, 9:16:53 AM

部屋の片隅で息をするということ

昨日、灯した明かりが
消えかかったので
今日、新たな火を
つけに行く

ここは薄ら寒い
どこかにまた穴が空いたのだろう
温もりを帯びた針と
眠りで紡いだ糸で
ゆっくりと
繕う

紅茶の湯気と
本を栄養剤にして
柔らかな腐葉土を
いくつも
作る

鼓動の波打つ音を確かめて
生きる、という言葉を
反芻する

ひとつの心の臓
その小さな隙間すら
まだ
埋められずとも
未だ、そこすら
埋められずとも

お題:部屋の片隅で

12/5/2024, 1:32:31 PM

真夜中のヒーロー

眠れないほどの空腹に襲われて
ついに頭が覚醒して
布団そっちのけで
身体が起き上がる

そんな僕の目の前で
小さなチョコが
笑って
いる
昼間、
おすそ分けとかなんとかで
もらった
やつ

違う
お前じゃない
ヒーローみたいに笑ってるが
お前じゃない
眠りの選択肢に向かうためには
お前じゃない…

そう思いつつ、
この、空腹というモンスターを鎮められるのは
お前かもしれない
お前だけかもしれない
と、
考えてしまう

たとえ、このあと
カロリーとか食べる時間とか
もっと手強い相手と
戦わないといけなくなっても

お題:眠れないほど

11/24/2024, 1:52:52 PM

「セーターを着る」
下から被り
目的地を見やる

ふわふわなトンネルの中には
少しの不安と期待が混ざりあっていて
やはり袖を通すのは間違いだったろうかと
一瞬、思い直す
(柔軟剤の香りは取り残されたようだ)

そのうちに、右手が勇気を出し、
左手が真似をして、
ようやく首から上が決意を固める

そんな


お題:セーター

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