オトネコ白玉

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8/2/2025, 12:01:03 PM

「読まずの手紙」
いつかのお前の命日に読もうと思って
手紙をしたためた
改めて、お前との日々を思い起こしたからか
なかなかに、なかなかな
文面になった
さぁ読もうか
いや、まだ早い、と出し渋るうちに
手紙は波にさらわれていった

それから幾星霜
見知らぬ土地と
見知らぬ河原に
立ち
お前が対岸で手を降っている
渡ろうとした矢先
見ると、水面に何か浮かんでいる
あぁ、思い出した
これは
いつかのお前の命日に読むはずで
封を切るものかと決めた
手紙

お題:波にさらわれた手紙

※難しかったぁぁぁああ!!!!!

7/7/2025, 12:58:22 AM

「空恋」

ガラス越しのあなたが
漂っている
揺れている
翻って
通り過ぎる

その度に、私は ざわついて
手足に目を向ける

だめ
たとえ、足を切り落としても
あなたと一緒には
泳げない

だめ
たとえ、陸地へと手を取っても
あなたはきっと
息ができない

それでも、空だった金魚鉢には
使い道のない
水が
溜まっていって…



明日も 明後日も
ガラス越しのあなたは
漂っている
揺れている
翻って
通り過ぎる
手を伸ばしても掴めない
赤だけを
残して

お題:空恋
※うぉぉぉぉ難しかったー…………………

7/5/2025, 2:26:38 AM

「青になる」

きみ、
青になるのは実に楽しいぞ
そこいらの看板
道路上の矢印
バス停の案内板
走り抜ける車体の側面
道端に咲いている花々
なんにだって同化して
どこへだって行けるだろう

人間の体から飛び出して
血液も唾液もおしっこだって
青くなっちまうさ
涙だっていくら流しても
バレやしない

そして、見ててご覧
いつか、一面の空と一体になって
風になる
俺は
青い風になる
生き物だった頃のことを忘れて
飛び回る

だからね、きみ、
青になるのは
実に楽しいことさ

お題:青い風

5/8/2025, 8:11:25 AM

「緑のひととき」
風が吹き
君は笑った
明日切り倒される命とも限らないのに
今、この刻
木漏れ日のように

お題:木漏れ日

4/3/2025, 7:53:34 AM

「待ちぼうけの合間に」

地べたを見る代わりに
僕は、空に向かって
頭を上げて
手を伸ばし
無限に想像してみることにした

それで、明日への
続報を掴み取れやしないかと
願ったりして
お題:空に向かって

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