: 初恋の日
新しい祝日が考案されました
6月17日 初恋の日
梅雨で湿っぽい季節に、あえて
可愛らしい傘をさして
出掛けてみたくなりそうな
淡い光を込めた祝日に
少しだけ気分が踊る
初恋の人と会って話したり
初恋話で盛り上がってみたり
そうか…初恋の人に告白するのも
いいかもしれない
バレンタインとはまた違って
こっちの方が伝わるかもしれない
私に初恋なんてあったのかさえも
思い出せないけれど
そんなことはどうでもいい
密かに思いを馳せる日が
できたということは、何だか
とても楽しい気がする
皆はどう思う?
桜月夜
: 明日世界が終わるなら…
明日世界が終わるなら…
この言葉を投げられた時
私はふと、あるシーンを思い出した
映画 タイタニック
皆が我先にと逃げ惑うシーン
あんな場面に遭遇すると、人は
正気ではいられない
しかし、ある母親が、自分たちは
到底助からないと悟った時
その母親は、最後の最後まで
子どもたちを不安にさせないよう
船室のベッドで寄り添い
優しく寝かしつけた…
唯一あのシーンだけ、涙がこぼれた
自分だったらどうしていただろうか?
綺麗事ならいくらでも言えるだろう
僕はどうなってもかまわない、でも
君のことは、命にかけても僕が守る!
てなことを言うヤツに限って
彼女を突き飛ばして自分だけ
猛ダッシュで逃げて行くのがオチだ
こればっかりは分からない
そう、誰にもね…
桜月夜
: 君と出逢って、
君と出逢って、僕は変わった
いや、変われたんだ…
今までの僕は、灰色だった
感じることができなかった
でも君は、そんな僕を怖がることもなく
真っ直ぐに見つめてきたよね
手を差し伸べると嬉しそうに
小さな体を預けてくれた
こんなに小さいのに、心が震えるほど
君は温かかった
始めて愛おしさを知ったよ
君のお陰で笑えるようになって
気づかえるようにもなれた
僕の心の中に色が灯った時
生きることの尊さを覚えた
ありがとう
ゴロゴロ喉を鳴らす君の頭に
僕はそっと、キスをした
桜月夜
: 耳を澄ますと
何やら嫌な予感がする
耳を澄ますと…やっぱりだ
頼む、今日は久しぶりの休みなんだ
今日くらいは…
ドスン
腹の上に衝撃が走る
うぅ〜、くっ、くるしい…
あっという間に布団ははがされ
悪気のないヨダレが顔面に広がる
セント・バーナードの体が
ゆっくり俺の体をベッドに沈めていく
わかった、わかったからどいてくれ
ニヤリと笑う口元から
またヨダレが垂れる
最高の朝じゃないか…
揺れる尻尾を眺めながら
俺はベッドを後にした
桜月夜
: 二人だけの秘密
近頃あの二人、何だか様子がおかしい
私に内緒でコソコソしていて…
ついさっきも、私の姿を見た途端
話をやめてしまった…
ある日、私は聞いてしまった
これは、二人だけの秘密だから
うん、分かってる、任せておいて
ショックで動けなくなった
何? どういうこと?
私だけ、仲間はずれなの?
トボトボと家路についた
そして、私の大切な日に
衝撃的な出来事が起こったのだ
ねぇ、今日何か予定ある?
私はショックで固まってしまう
全く覚えていないようだ…
ちょっとこれから付き合ってよ
私の返事も待たずに手を引いていく
連れて行かれた場所、それは
私が一番行ってみたかったレストラン
ポカンとする私を、中へといざなう
お誕生日、おめでとう!
憧れの空間に、幸せが漂う
二人の満面の笑みが、私を包んだ
ありがとうの言葉が滲んで
忘れられない日に…
胸が詰まって、そしてほどけていった
桜月夜