たった1つの希望
彼女が命を絶った日に
私の子供になった娘。
私と彼女を繋げてくれた娘。
自分なりに努力してこの娘を愛してきた。
それでも必然的に来る反抗期、
進学すると共に私の元を離れた日。
瞬きする間に時は流れて行った。
そんな娘が久しぶりに家に帰ってくる。
大事な人を連れてくるという連絡があった。
チャイムがなりドアを開ける。
そこには娘と、
同じ身長の女の子が立っていた。
私たちの娘らしいわね。
欲望
三大欲求なんて言葉があるけど、
私には通用しない。
そんなものより貴方に愛されたいって、
欲望の方が強いの。
貴方が望むなら寝る間も惜しんで貴方を愛す。
貴方が望むなら食事を取る間もなく貴方を愛す。
貴方が望まなくとも貴方を愛せれば他も満たされる。
でも貴方は違った。
私が貴方に愛される為にした行動は、
全部無意味だったみたい。
私が愛した
時間は、
日々は、
二人で永遠に結ばれる為だったのに。
その時私には、
貴方を殺したい欲望が芽生えた。
それでいい
自分が良ければそれでいい。
ずっと思ってた。
自分が1番で自分が大切で、
自分以外は正直どうでもよかった。
でも自分以上に大切な人ができた。
愛らしくて可愛い娘。
大切にしたいと思った。
だがそんな娘にも思春期が来たのか、
無視されるようになった。
初めは目を合わせたら舌打ちされる程度だったが、
いつしか自分は存在しないかのような、
行動を取らてれた。
そんなある日娘が手を合わせて泣いているのを見た。
誰かの仏壇だった。
ごめんなさい。
父さんのこと大切にすれば良かった。
早く向き合えばよかった。
49日も待たせてごめんなさい。
私の死からなにか学んだのならそれでいいんだよ。
大切なもの
家の片付けをした時に出てきた
小学校の宿題で出た作文。
タイトルは大切なもの。
あの頃の私には大切な家族も友達も居た。
今はいないけど、ね。
大切な物なんてどこにもない。
たいせつなもの。
わたしの大切なものはいっぱいあります。
でも一番大切なのはわたしです。
ままやぱぱ、じいじとばあば
くまのさっちゃんやうさぎのみーちゃんもすきだけど
わたしが大切なのはわたしです。
なぜなら人は何おく分の一のかくりつで
生まれるって言うのをテレビで見ました。
わたしはわたししかいなくて
わたしいがいはわたしにはなれないです。
だからわたしはわたしが大切です。
エイプリルフール
好きです。
時刻4/1/23:50
好きな人に告白された。
驚いたしはしゃいだし嬉しかった。
けどすぐ嘘だと気づいた。
だから僕ものってあげた。
僕も好きです。
本当に嬉しい。
僕も嬉しいよ
じゃあもしよかったら付き合ってください。
いいよ。
けどさエイプリルフールでしょそれ。
時間見てみてよ。
時刻4/2/0:02
ある国ではエイプリルフールとは逆に
4月2日は本当のことしか言っちゃいけないんだよ。
つまりはそういうことだよ。