まだ知らない君
君自身が嫌いだと言っていたその短い前髪も、口癖も、小さい身長も、細い目も、僕は全て好きなのをまだ知らないでしょう。

終わらない物語

私の人生失敗ばっかりで良かったとは言えないし
自死も考えたけど、たまに素敵なゲームに出会ったり、面白い漫画やアニメがあったりして。こんなの来世では二度と会えないだろうなって思って諦めたの。多分、私の物語はまだ終わらないだろうな。

手のひらの宇宙
夜空を駆け回る。今日は珍しく夜に散歩をした。空には星が散っていてとてもきれいだ。
つい空に手を向け、ぎゅっと握る。
「みて！星とった！」
「ふふっそうだね。あそこの大っきい星のほうが取りやすいかもね」
「わかった！」
大きく笑顔を見せて遠くへ走り出す。夜の風が気持ちよくて、静かで、昼とは違った心地よさが何十年たった今でも大好きだ。

あなたのもとへ

会いたいって、助けてって言ってよ。そしたらすぐあなたのもとへ行くからさ…。

あの夢のつづきを

家に帰ると、玄関で息子が待っていて…
「おそかったね！まってたんだよ！」
「ごめんな〜仕事がいっぱいあって」
勢いよく抱きついて来た息子をわしわしと豪快に撫でる。
そこで料理中の嫁が来て…
「おかえり〜ご飯できたよ？」
「あぁ、食べるよ」
そうして愛しの息子と嫁と食卓を囲んで…
あれ？なんで涙が出てくるんだ？……
……………………ピピピピッ
「あー、うるさいな」
頭に響く目覚ましの音を止める。夢から目が覚めてしまった。いつも、毎回同じ夢。もう嫁と息子は死んだっていうのに。いつかあの夢のつづきを見れたら…なんて、悲しくなるだけだ。くだらないことを考えながら仕事の準備をした。