胸が高鳴る
貴方に見つめられたり抱きしめられたりするだけで
どうしようもないくらいに胸が高鳴る
凛々しい顔も私にしか見せない優しい瞳も
全てが尊い
会えない日には貴方は1日幸せだったかなって
夜空を眺めながら考えていた。
私の心はいつの間にか貴方でいっぱいになっていた。
泣かないよ
魔法界に戻って10年が経ち、私は自分が通っていた魔女学校で教師として働いている。
忙しく大変だけど、生徒たちの成長と向き合いながら充実した日々を送っている。
ふと、人間界で修行した日々や仲良くなった親友のことが懐かしくなる夜がある。別れの日はお互い悲しくて大泣きしたのを覚えている。
でも、今は泣かないよ。
涙は再会できた時に取っておきたいから。
彼女の笑顔とまた会おうという約束は、私をいつも支えてくれる。
星が溢れる
お土産に金平糖を買った。
ガラスケースの中にある甘くて小さな星に癒される。
もっと知りたい
ふと気づけばいつもあの子のことばかり
考えていた。
家に帰る時も、お風呂でのんびりしている時も
今日は何していたかな1日幸せだったかなと
考えてしまう。
もっと知りたい気持ちの正体に気づくのは
あと少し。
平穏な日常
舞踏会に来ている私はもしかしたら素敵な出会いがあるかもとチャンスを掴もうとしていた。
その一方で本当にこれでいいのかという想いもあった。
思い出すのは、いつもそばにいて励ましてくれて
私がお茶を淹れると美味しいと笑顔を見せてくれる
魔法使いのあの人の姿だった。
「やっぱり戻ろう」
煌びやかなお城や王子様はもちろん素敵だ。
だけど、私には魔法使いさんと共に過ごす
何気ない平穏な日常が大切だと気づいたのだ。
もしかしたら、驚かれてしまうかな。
物語の結末は、王子様と幸せに暮らしましたとは
限らないでしょう?
12時の鐘が遠くなる中、かけがえのない彼の元へ
駆けていった。