Kiss
唇から首筋へと降るキスは、私を狂わせていく
このまま堕ちてはいけないとわかっていても、
跳ねる心臓と熱くなる身体は心とは裏腹だ。
「俺のものになっておくれ…」
切なく囁く彼の瞳には、私しか映っていなかった。
1000年先も
たとえ何度生まれ変わっても君を見つけて
愛するのだろう。
だって僕は君が生まれる1000年前から
想い続けているのだから。
周りの誰よりも君を知っているはずだ。
だから、僕を受け入れておくれ…。
勿忘草(わすれなぐさ)
目を覚ましたら、自分の街に戻っていた。
近くにあった時計の時刻は、私が異世界に飛ばされてから30分ほどしか経っていなかった。
今までの出来事が、まるで嘘みたいだった。
でも、元の世界に帰る前に彼が私の左薬指に咲かせた指輪には、勿忘草が施されていた。左指に残るそれだけが異世界にいた真実を物語っていた。
勿忘草の花言葉は、「真実の愛」「私を忘れないで」
こんなことされて、彼を忘れて他の人と添い遂げるだなんてできない。最後までずるい。
「忘れるわけないじゃない…私だって別れたくなかった」
とめどなく溢れる想いは誰にも止めることはできなかった。
I LOVE…
溢れるくらいの想いを貴方に
こんな夢を見た
何度目かの悲しくて温かい夢を見た。
私の隣には、笑顔で笑い合いながら
話をしていた女性がいた。
一緒にいて柔らかな日差しに照らされてる
温かい気持ちになる。きっと私の大切な人なんだろう。
でも、笑っているのはわかるのに
誰なのかはわからない。
私はこの人を知るはずがないのに。
私の今大切な人は、主様なのに。
どうして貴女といると温かいの?
貴女は、一体誰なの?
目を覚ますと、いつも通りの部屋。
私の主である彼は、まだ戻ってきていない。
私と主様は、夜の闇でしか生きられないのに
なぜ私は人間のような夢を見たのだろう?
「私は…何かを忘れているの?主様に愛されているのに、今幸せなのに何で?」
今の幸せと夢の温かさの狭間で、私は途方に暮れてしまった。