過ぎた日を想う
地元の道を歩くと、この道には用水路があったのに
今では立派な住宅街に変わったなぁと考えたり、公園の遊具はこんなに小さかったっけと物思いに耽る。
また、子どもの時に見た映画を最近再び見たのだ。
当時見た時とは違う点で感動したり、主人公たちの
気持ち以外にも対立するキャラクターの目線なって
見ることができるようになったりした。
子どもの頃に経験したことは、もう過ぎた時間であり
細かいところまでは思い出せない。本当にあったのかなと考えてしまう日もある。
でも、変わりゆく街並みや自分の中に加わった価値観に
触れた時、私は確かに自分の人生を歩いてこれたんだとわかった。
あと5年、10年して今を懐かしく想う日がくるのかもしれない。その日が来るのを楽しみにしていよう。
踊りませんか?
月明かりの夜、舞踏会から外れた外で涼んでいた。
不意に後ろから
「こんばんは、お嬢様」
1人の青年に声をかけられた。話をすれば彼も1人で涼みにきたそう。
「よかったら、2人で踊りませんか?」
「いいですね。夜空がステージだなんてロマンチックだ」
言葉はもういらない。星や月が照らす下で踊り明かした。
彼とは再会することになるけれど、それはまた別の機会にお話しましょう。
巡り会えたら
もし彼女にまた巡り会えたら、愛してると伝えたい。
でも、それは奇跡が起きない限り不可能だろう。
僕と彼女は、生きる世界が違うから。
彼女に向けて、届かない想いを今日も叫び続ける。
奇跡をもう一度
奇跡がもう一度起こせるのなら、彼に会いたい。
夜空の下で笑い合った記憶を胸に、彼のいない世界で今日も生きていく。
たそがれ
車窓から見える夕方と夜の狭間。
街には少しずつ明かりが灯り始めた。
高層マンション、一軒家、アパート…
明かりの数だけ人生があるんだな。
そう思うだけで世界が少し愛おしくなってくる。
最寄り駅に着いて美しい空を見上げて歩き始める。
「おかえり」
横を見ると暗がりから父の顔が見えた。
同じ電車だったのだろう。
私も、おかえりと返した。
今日の出来事を話しながら夜に浸った道を進みだした。
こうして1日が終わっていく。
あの明かりへ私も帰っていく。