朱堂悠

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10/19/2024, 4:28:29 PM

人は自分の考えが「正義」だと思っている。
たとえ意見がすれ違い、対話を試み、
相手の意見を尊重しながら謙虚に応対しようとしても
最後はどうしても自分の「正義」を
譲ることはできない。
その「正義」は自分が信じている物事の全てであり、
それを否定することは生存意義を失うも同然である。

その「正義」の対立の究極形が、戦争だ。
私達は自身と「正義」の価値観が似ているほうに
どうしても肩入れしがちだが、
もう片方の「正義」も
それを掲げるに至った背景や歴史を調べていくと、
それなりに「そう考えても仕方がないか」と
諦観できるくらいの筋は通っていることはままある。
どちらの「正義」も正しくて、間違っているのだ。

今、私が「正義」だと思っていることは、
他の誰かにとっては紛れも無い「悪」である。
だが、だからといってそれを捨ててしまえば、
私は自分を悪人だと責め続けるだろう。
生きるために、「正義」という名の「悪」を
振りかざし、手を汚し続けていることを
心に留めておかねばならないと思う。

10/18/2024, 4:02:38 PM

秋晴れの日は絶好の旅日和だ。
紅葉のシーズンさえ外していれば、
おそらく1年間で一番快適な気候の中
おトクに旅ができる時期である。

快適な気候といえば春でも構わないのだが、
桜や春の花々が見頃を迎えたり、
新年度における人の移動が盛んだったりと
交通費や宿泊費がやや上がってしまうのが欠点だ。
秋は春よりもそのような旅費高騰の原因が少ない。
強いて言えば、先述の通りに紅葉だけである。

だから、この時期は高速バスや格安航空の
サイトを眺めて、行きたい場所を物色するのが
密かな楽しみである。
近場は行き尽くしてしまったために
遠出で旅の楽しみを得るしかない旅行好きにとって、
秋晴れは天恵なのだ。

10/12/2024, 4:17:22 PM

私は放課後の帰り道の中で
とあることを日課にしていた。
それは、風景観察である。

通学路のルートは日によって
大きく変わることはない。
だからこそ、些細な風景の変化が際立つ。
今日の空は変な色をしているな、とか
昨日は蕾だった花が咲いた、とか
今日は用水路にザリガニがいっぱいいるな、とか
なんか新しい店ができているぞ、とか。
そうやって毎日間違い探しをしていた。

その日課は現在、思わぬ特技に昇華した気がする。
今までどんなに興味が無かったことや
経験していなかったことでも、
私的に面白いなと思う点を即座に見つけて、
楽しもうとする。
おかげさまで、他の人よりも多趣味で
心の支えが多い人生を送らせてもらっていると思う。

子供の頃の何気ない習慣が大人になって活きてくる。
だからこそ、後代の人々には
今のうちに色んな遊びをしてほしいと
大人心に思ってしまうのである。

10/11/2024, 4:15:26 PM

自宅の家具の質にはそんなにこだわらない私だが、
色や柄、性能を唯一吟味して選ぶのがカーテンだ。

今のカーテンも自慢の一品。
色は緑、柄はボタニカル、遮光や遮熱は1級、
ひだの付け方も自分で選んだ。
窓のサイズが規格外だったために、
自分で採寸してネットのオーダーメイドで
頼まざるをえなかったことだけが懸念だったが、
無事クリアして部屋を飾ってくれている。

何故こだわるのかというと、このカーテンの
性能次第で部屋の良し悪しが変わるからである。
壁の一面を堂々と占拠するため、
カーテンの色味で部屋のテーマカラーが強制的に
定まってしまうし、
遮光の等級次第で開放的な部屋にも
秘密基地のような部屋にもなる。
昨今の気象を鑑みると、遮熱の性能次第で
冷房や暖房の効き方にも
差が出てくるのではないだろうか。

新居に長く住むことができるか、
その命運を握っているのは実はカーテンなのである。

10/10/2024, 4:24:28 PM

「泣いてちゃわからないでしょうが!」
誰かに叱られている際に涙が出てしまうと
言われがちな言葉である。
子供の時に何度言われたことか。
この場合、私には2パターンの感情が渦巻いている。

1つは、自分の不甲斐なさに涙した場合だ。
相手の言い分に一字一句納得し、
失敗を犯してしまったり、期待に応えられなかった
自分を責めている。悔しさの涙。

もう1つは、理不尽に耐え忍んでいる涙だ。
この時は、相手の言い分には一切納得しておらず、
自分が正義であると信じ続けているが、
口下手なために説得や口喧嘩をすることができない。
反撃できない怒りが涙として発露している。

どちらにしろ、自分が可哀想だからとか
身勝手な理由では泣きはしない。
むしろ泣いたら負けを認めたとすら思っている。
いつか見返してやる。
いつか相手が羨むくらい立派になってやる。
女の涙など、反骨心マシマシで丁度いいくらいだ。

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