原罪君

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6/18/2024, 6:25:02 AM

5『未来』

 遠い未来はどんな状況になっているだろう。
 百年、千年、万年も後。当然僕は生きていないけど、どうしても気になって想像してしまう。
 
 未来のことなんてわからない。
 数々の失敗を経て、その過ちから学ぶことしかできない。

 だが、人は思っているよりも愚かだ。
 
 あの世界大戦を終えて尚、現代でも戦争は消えていない。
 それもそうだ、この世から争いが無くならない限りはずっと起こり続ける。

 どんな善人でも悪の心はある。
 正義の為に振るう行為が、悪を不幸にさせるのなら、それは善行なのか。

 ――歴史は繰り返される。

 古代ギリシャのツキジデスも、またそれを研究した、とある博士もこう言う。

 焼け野原にも草木は芽吹く。そして新たな文明が生まれる。

 未来は繰り返されているのだ。

6/16/2024, 12:49:46 PM

4『一年前』

 一年前……と言えば、僕がようやく中学三年生という肩書きに慣れた頃だ。

 今思えば、あれだけ面倒くさかった中学校生活も「楽しい」と言える範疇にはあった。
 毎週の日曜日は、友達と夜遅くまでゲームをしていた。明日学校がある、なんていう現実は無視して。

 ところが、高校一年生になった今、そんな日常は大きく移り変わっていた。
 周りの友達は、一年前と変わらずゲームを長時間楽しんでいるようだし、僕は進学を目指しているわけだからゲームをするなんて暇は当然ない。
 
 諸行無常という概念をあれほど意識していたというのに、結局後悔を避けることはできなかった……。

 六時間授業で死にそうにっていた自分が、今では七限まで余裕ときた。
 
 すべては変わってしまった。 
 たった一年で、何もかも。
 
 全くもって情けない。
 そもそも、僕は小学校六年間と中学校三年間で満足していたのだ。
 少しマセたことを言うが、甘酸っぱい青春も、友情の素晴らしさも僕は知った。責任を果たすこと、勉強することの辛さも学んだ。
 勿論、本場の社会で生きる人達の辛さは、僕には想像できない。

 この世に未練などもうない。叶えたい夢はあるけど、それは将来的に楽であるからに過ぎない。

 目前にある希望にすがり溺れるのは、人の常ではあるが、僕にはその希望すら見えないようだ。

 鬱になって、けれど社会は僕を待ってくれない。
 また一週間もすれば、二度目の考査が始まる。

 ――おっと、日曜日がもう後数時間で終わってしまう。
 まだ勉強をしないとな……。

6/15/2024, 12:56:30 PM

3『好きな本』

 好きな本はアーサー王物語。

 すべてはあの日から始まった。
 幼き少年が選定の剣を抜いてしまったが為に、将来の破滅が定められた悲劇の物語。
 アーサーを囲った屈強な円卓の騎士達でさえ、己の欲望にいとも容易く溺れてしまうのだ。
 不倫と勇気が込められた、西洋の騎士道物語こそが、このアーサーにまつわる伝説だ。

 この本を読もうと思ったのは、某アニメに登場する、アーサー王を美少女化したキャラクターに魅力を感じたからだ……。

 ――他愛もない話だが、偉人を女体化するという文化自体は江戸の時代からあるらしい。
 これについては個人的に、「新たな文化をつくっている」と解釈している。

6/12/2024, 2:23:09 PM

2『好き嫌い』

 善行と悪行。
 おそらく世間一般的には、善行が好まれ悪行が嫌われることだろう。

 これは、『好き嫌い』というお題に関しては少し逸れている内容なのかもしれない。


 ――人には必ず『好き嫌い』がある。

 好きな食べ物、嫌いな他人、あるいは苦手な教科……。

 嫌いなものが一つもないと言う人間はこの世にはいない。

 苦手なものが一つもないと言う人間はこの世にはいない。

 誰だって好きなものはあるし、嫌いなものもある。

 であれば、心が善で染まりきった人間もまたいない。

 善良な者が気まぐれに起こす悪行。

 邪悪な者が戯れに起こす善行。

 この矛盾こそが、人を人たらしめるのだ。
 

 

6/10/2024, 11:56:45 AM

『やりたいこと』

 僕がやりたいことはただ一つ。

 それは寝ること。

 夢の中だけは、勉強も責任も問われない。
 現実から逃げているってのは自覚してる。
 でもそれでいい。
 偽りだっていい。

 仮に辿り着けぬ理想郷だとしても、僕は必ずそこを目指す。
 やりたいことをするために、僕はやらないといけないことをするんだ。

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