私だけ視えている世界がある。
現実とは違う、もう一つの世界。
名前を付けるなら……そう、妖の世界。
妖は人間と共に生きようとしているように見える。でも、それは叶わなさそうだ。人間には妖が見えないのだから。
いつから存在するのか知らないが少なくとも私が物心ついた頃からそれは視えていた。
ともすれば、妖も私と同じくらい又はそれ以上生きているはず。
少しでも知能を持ち合わせていればそんな長い年月、人間に見向きもされなかったことから人間は彼らが視えないということに妖達は気付いているはずだ。
それでも、昔から今も人間の側で共生しようと試みているのはどうしてだろうか。
人なんて自分より劣っていると判った者がいれば見下し、異質な者がいたならば群れをなしていじめる。人の心は大昔から既に真っ黒で…黒以外の色なんて見えなくて、それなのに外見では美麗な色彩を感じてもらえるように取り繕う。
人を騙す為に飾るものもいれば、本当の自分を見せないために飾る者もいる。
そんな仮面だらけの人間のどこが良いと言うのか。
私は人間が嫌いだ。
ただ、人のために健気に尽くしている妖達は好きだ。
彼らが人間と共存したいと願うなら叶わずとも私は協力して上げたい。人間が憎くとも妖達には報われて欲しいから。
私だけが彼らに気付いているのだから。
土曜日、日曜日、貴重な休みだって頭では理解しているはずなのに繰り返す夜更かし、12時起き。もうこんな生活は終わりにしようと何度思ったことか。
そろそろ終わりにしたいな
太陽の光に起こされる朝。
他愛のない会話をしながら朝食を食べ、学校に行く。
友達と楽しく喋り授業を受ける。たまに眠くなったりして先生に起こされ怒られる。
家に帰ると美味しそうな夕飯の匂いが鼻を擽る。
そして、夜はベッドで今日のことを振り返りながら、早く明日になって欲しいと思い眠りに就く。
こんな日常を送ってみたいな。
貴女が好きだ。
私は貴女しか愛せないと思う。
でも、私は知っている。
貴女には心を寄せている相手がいることを。
貴女にしか向けられないこの想い。
教えて欲しい。
どうやってこの気持ちを抑え込めばいいのか。
貴女がいたから私は苦しい。