ひとでくら

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9/1/2024, 9:07:51 PM

金曜日の放課後、先輩に告白した。
そのときは『まだわかんない』と言われ保留にされてしまったけど、きっとこの土日で考えてくれているのだろう。
そう思っていた。
しかし、僕は昨日見てしまった。
先輩がショッピングモールで男の人と楽しそうに歩いているのを。
もうこれは実質的にフラれたのではないだろうか。
昨日まで開けたLINE。一番上には先輩の名前がある。
ああ、怖いな。LINE開けないな。

8/8/2024, 10:37:17 AM

深緑の大樹の下。
一人の少女が世界に唄う。
湿った空気と干からびた大地の相反する空間が広がる世界へと。

 蝶よ空気を

 花よ大地を

唄い続ける少女は何を想うか。
荒廃した世界でただ一人、彼女は今も唄い続ける。

7/27/2024, 10:18:43 AM

世界を恐怖一色で塗りたくった災厄の前に神様が舞い降りてきて、こう言った。
「嗚呼、最高神様。哀しき私を眼前の化け物からどうか、どうかお救いくださいませ」
前言撤回、降りてきたんじゃなく落ちてきたっぽい。

7/23/2024, 3:27:06 PM

死する君

君の軌跡に

花咲いて

散りゆく想い

終ぞ語られぬ

7/18/2024, 10:45:55 PM

私だけ視えている世界がある。
現実とは違う、もう一つの世界。
名前を付けるなら……そう、妖の世界。
妖は人間と共に生きようとしているように見える。でも、それは叶わなさそうだ。人間には妖が見えないのだから。
いつから存在するのか知らないが少なくとも私が物心ついた頃からそれは視えていた。
ともすれば、妖も私と同じくらい又はそれ以上生きているはず。
少しでも知能を持ち合わせていればそんな長い年月、人間に見向きもされなかったことから人間は彼らが視えないということに妖達は気付いているはずだ。
それでも、昔から今も人間の側で共生しようと試みているのはどうしてだろうか。
人なんて自分より劣っていると判った者がいれば見下し、異質な者がいたならば群れをなしていじめる。人の心は大昔から既に真っ黒で…黒以外の色なんて見えなくて、それなのに外見では美麗な色彩を感じてもらえるように取り繕う。
人を騙す為に飾るものもいれば、本当の自分を見せないために飾る者もいる。
そんな仮面だらけの人間のどこが良いと言うのか。
私は人間が嫌いだ。
ただ、人のために健気に尽くしている妖達は好きだ。
彼らが人間と共存したいと願うなら叶わずとも私は協力して上げたい。人間が憎くとも妖達には報われて欲しいから。
私だけが彼らに気付いているのだから。

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