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11/5/2022, 2:56:08 PM

もうどれくらいの間この階段を登っているのだろう。
妻と子供はどうなっているだろうか。
私が居ないことを嘆いているのか、もしかしたらもう忘れているのか。
先に逝ってしまったのか。
仕事はどうなった?
さすがにクビだろう。会社自体がなくなっているかもしれないな。

ああ、こんなこと考えても仕方がないな。だって両手じゃあ数えきれないし、頭ですら覚えていられないし。

試しに今のところからいちにいさん…と数えてみる。
きゅうじゅう、じゅういち、じゅうに 
12まで数えて面倒臭くなったのでやめた。
いつもこうだ。最後まで成し遂げられない、バカなおっさん。取り柄が無さすぎる。

そんな自己嫌悪に陥っていたら、壁にぶつかった。
はじめての変化だった。よく見るとドアがあって、半開きになっていた。
光が差し込んでいた。
私は、やっとついたのだ!とわくわくした気持ちで開けた。

そこにはスタッフらしき人がいた。
眠そうな目を擦りながら口を開いた。

おつかれさまです。ここは第一地点です。

スタッフが開けた扉には、先ほどと同じような暗い階段が永遠と続いていた。

11/4/2022, 10:17:35 AM

目の前で、人が落ちてった。
君がいたのに、追われて落ちた。
君は、助けられなかったと涙を流した。
そりゃそうだ。君の友達だったんだもんね。
唯一無二なんてくだらないこと君は言って、落ちたあいつも特別だってふんぞり返って。
僕らなんて二の次で君はあいつに走ってって。
ほんとばかみたいだった。
でも、君とあいつがばかしてるのが羨ましかったんだよ。
だから、協力して地面に叩きつけた。普段は敵のあの子もこの子もみんななかよく協力して。
最後に笑うのは僕たちなんだ!
だからさ、君も戻ってきてなかまに入ろう。
僕ら、君がいなかったら口喧嘩ばっかりなんだよ。
まえみたいに仲取り持ってよ。
おねがいだから…

おねがい。消えていかないで。

11/3/2022, 12:01:42 AM

眠りにつく前に何処か遠くの夢を見る。
異国の地でも、異星の地でも、何処かについたならラッキーだ。
淡い希望なんて、とっくの昔に暗闇に溶けてしまったけど、最期に手紙をかいていくよ。
拝啓地球の君。いつか話そうと思っていた君。
もし会ったとしても何十年後何百年後だけど、どうか変わらず居て下さい。
コールドスリープから僕が目覚めるまで。