tsukiyuki

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12/4/2024, 12:49:07 PM

「将来の夢」


小学生の頃の夢は
絵本作家だった
理由は単純  
母の読み聞かせが好きだったからだ
夢を叶えるために
本を読み漁っているうちに
図書委員長になった

中学生になると
将来の夢は
キャリアウーマンになった
理由は単純
図書委員長での活動が
楽しかったからだ
積極的に班長、委員長、部長になり
最終的に生徒会に入った

高校生になると
将来の夢は
グランドスタッフになった
理由は単純
空港で働く姿が
とてもかっこよく見えたからだ
少しでも憧れに近づくために
部活に勉学に
全力を尽くし
英語力を高めることのできる
志望校の大学に受かった

大学生になると
急に将来の夢は消えた
理由は明確
航空会社に内定をもらっていた
憧れの先輩が
コロナで内定取消になったからだ
衝撃だった
先の見えない不安から
自信を失った
そんな簡単に諦めるのかと言われたら
返す言葉はないが
当時の私にとっては
全てを失ったような
感覚だった

勉学にバイトに遊びに恋愛に
全力で駆け抜けた4年間
コロナの影響を受けつつも
充実した日々を過ごしたと
今でも思う

それでも

ただ1つ
後悔していることといえば
将来の夢を
見つけられないまま
流れるように
社会人になったことだ

気づけば
心を何度も壊し
会社を辞めていた

絵本作家にも
キャリアウーマンにも
グランドスタッフにも
なれていない
私は
また新しい夢を
見つけることが
できるだろうか




2024/12/4 夢と現実

12/3/2024, 12:38:55 PM

「親友」


出会った頃は、仲が悪かった
悪いというより、親友が一方的に私を嫌っていた
理由はあまりにも幼稚かった

小学3年生の頃、書道の大会で
私が優勝、彼女が準優勝だった
親友は、ただただ悔しくて
私のことを嫌っていた
当時のことを親友は

「そんなことあったっけ?」
とあっけからんに話す

こんな出来事を忘れてしまうくらいに
なぜかずっと一緒にいて
小学生から中学生
中学生から高校生
高校生から大学生と
青春時代を駆け抜けた

好きな人に振られて
号泣した夕方のベンチも
受験勉強から逃げたくて
一緒に食べたパピコも
初めての旅行で
東京駅の路線に戸惑い
電車に乗り遅れたことも

あなたとだから
全てが楽しくて仕方がなかった


彼女が上京する最後の夜
一緒に1枚500円のプリクラを撮った

「出会った頃は300円だったのにね」
「化けすぎてもはや誰」

なんだかんだ文句を言いながら
お互いのスマホケースに入れた

見慣れすぎてなんとも思わない帰り道
彼女は最後に言った


「さよならは言わないで、寂しくなるから」


私は答えた


「言うわけないよ、じゃっ!」


彼女は笑った
そんな親友は年末、実家に帰ってくる






2024/12/3 さよならは言わないで

12/2/2024, 12:17:45 PM

「私って」

心が壊れた仕事を辞めた数日後
家にいてふと思う

私って、これからどうなるんだろう

また働ける?
次は長続きする?
もう失敗しない?

友人のインスタは
平日夜はピラティスに通い
休みの日には美容室にネイルにショッピング
長期休暇には友人・彼氏と旅行
誰がみても
キラキラしたストーリーばっかり

比較する必要なんてないことは
ちゃんとわかってる
わかってるけど

いろんな不安が追いかけてきて
闇の中に飲み込まれていく

でも、時々

あれやってみたいな
これならできるかな
それやってみよう

って
初雪がふわふわと
空中を舞うように
心の中に少しずつ
積もってゆく

うまくいくかなんて
全くわからない

でも
私の直感を信じて
やってみようかな


少し光が見えた気がした





2024/12/2 光と闇の狭間で

12/1/2024, 11:19:29 AM

「社会人2年目」


私の親友は
社会人になると同時に
家を出て、上京した

就活を大学3年の2月に終わらせて
大学4年の1年間をバイトに遊びに卒論に
全力で駆け抜けた

社会人1年目は
着実に経験を積み
同期とは思えないほどのキャリアを築いた
上京先に友人がいないという理由で
マッチングアプリを始め
研修医と出会い、同棲を始めた

社会人2年目も
1年目に引き続き、キャリアを積みながら
彼氏とも順調だ


そんな私はどうだ


大学3年からインターンを始めるも
大学4年になってからも
なかなか就活がうまくいかず
秋頃、初めてもらった内定先に就職を決めた

社会人1年目
女性が多い職場で、慣れない仕事に戸惑いながら
全力で接客技術を学び、先輩を真似た
尊敬する先輩もいた

でも、上司と折り合いが合わず
店頭に立てなくなった
いつのまにか心は崩れ
半年で辞めた

その後、しばらくして
再び接客のアルバイトを始めた
アルバイト先の人々や
昔からの友人、そして親友のおかげもあり
心は元気になった
そして、社会人2年目に入った時点で
新しい職場に転職した

社会人2年目
前職とは全く違うジャンルに飛び込んだ
優しくて、信頼のできる先輩に囲まれて
全力で仕事内容を頭に叩き込んだ

とても忙しい会社で
仕事が次から次へと降り注ぐ
その合間に
コーヒーを入れ、食器を洗い、書類を配った
その他の雑務もこなしつつも
仕事は待ってくれない
毎日時間に追われ
気づけば終業時間になっていた
そんな毎日が続き
気づけば
病院のベッドの上にいた
その後すぐに
退職した


親友と私
同じ地元で生まれ
小中同じ学校に通い
高校は違うも
大学は同じバイト先で働いた

ほとんど同じ速度で
成長してきたはずなのに
いつからだろう
こんなに、あなたと
距離を感じるようになったのは

わかってる
これは

私の気持ちの問題だ


2024/12/1 「距離」