「好きだよ。」
嘘つき。
君が本音を言う所を見たことがない。
好きと愛してるも全部偽りで、君から出る言葉全てが、嘘に聞こえる。
「嫌い。」
この日嘘を言ってみた。
「そっか…、やっぱ好きじゃないよねぇ…」
そうだ私だけなんだ本音で言ってたのは。
私は本音でも君の言葉は嘘なんだよね。
分かってるよ。
本命いるんだよね。
遊びなんだよね。
ごめんごめん。分かってるよ。
でもいつかさ…本音伝わると思ったんだもん。
貴方が私に正直に好意を伝えてくれると思ったんだよ。
でも結局貴方が正直に言ってくれることはないんだね。
さようなら。
「明日の天気ってなに?」
知るかよ。
そんなに大事なことか?それ。
中学時代にケンカしてて、それ以来。
今でも許してない。
そんなお前が俺に天気のこと聞いてくるか?普通。
「明日は晴れだといいね。君の誕生日だし。」
覚えてたのかよ。
そんなこと言われてもどうも思わないけどな。
「そうだ!明日君の好きなケーキ買ってくるよ。」
……そんなの…そんなのどうでもいい。
俺はお前と仲直りしたいんだよ。
大人になってもこんな意地張ってて気持ちよくない。
頼むから話を聞いてくれ。
「俺さ。君の声が聞きたくてきたんだ。」
「こんな話よりもさ、俺と仲直りしてよ。今すぐ俺の目の前に現れてよ…。なんでよ。なんで死んじゃうんだよ。馬鹿。」
声が出なかった。
いじられてんのかと思った。
でも違うくて。
あいつはいたって真面目で。
そうだよな。ごめんなぁ。
話もなしに死んじまって。
「ありがと。明日楽しみにしてる。」
「?!………あぁ。明日もまた行くよ。」
僕は今、親友の墓の前にいる。
親友は事故で亡くなった、とされている。
本当は違う。
彼はいじめられていて、殺されたんだ。
僕は見ていた。
彼が背中を押されるところを。
僕は見ていた。
でも体は動かなくて、あいつらが犯人だ。とも言えなかった。
怖かった。お前みたいに殺されたくなかった。
でもこれは言い訳。
僕はお前に死んでほしかったんだ。
恋も、家族も、成績も、顔、性格だって、
なにもかも勝てない。
もしあの時君を助けていたら。
僕はきっとずっと君のオマケとして生きることになっていただろう。
ごめんね。僕の勝手な子供みたいな対抗心のせいで。
それでも、それでも僕は今も君が憎くてたまらない。
暑苦しい季節になってきた。
暑苦しい日といえば必ず思い出すことがある。
とても暑い日、
クラスの皆は半袖、半ズボン。
涼しい服を着ていた。
でも、クラスの1人の男の子は長袖、長ズボンを履いていた。
見ているだけで暑苦しくて僕はその子に
「なんで長袖なの?」
と、聞いた。
その子はとても戸惑っていて、僕はとても気になって
放課後一緒に僕の家で遊ぼう!と提案した。
彼は言葉にはださなかったが、表情はとても嬉しそうに頷いてくれた。
そして放課後。
「どうも長袖なのか聞いても良い…?」
と言ってみた。
彼はとても不安そうな顔をして、上の服を脱いだ。
その腕や肩は痣だらけだった。
彼は震えていて、泣き出してしまった。
僕はそれが耐えられなくて、両親に一緒に相談してみた。
僕の両親は急いで何処かに電話をかけていた。
その日、彼は僕の家に泊まった。
彼は「ありがとう。」などと言っていた。
その表情は太陽のようなピカピカした笑顔で、
僕は眩しいく思った。
その後、彼の両親は捕まって、彼は転校してしまった。
今の彼が何処に居るかは分からない。
でも今はとても涼しい、半袖の服を着れていたらいいなと僕は思う。
貴方に出会えてよかった。
一目惚れで好きになった。
同姓で、でも誰より可愛く、かっこよく。愛しくみえた。
そんな気持ちを隠して生活していたがようやく報われた。
彼に告白されたのだ。
その時、本当に嬉しくて、死んでもいい。くらいの気持ちだった。
2週間後、彼とは仲良く喋る程度で付き合う前とほぼ変わらなかった。
でもいきなり
「嘘告だよ。」
と、言われた。
信じられなくてその場で泣き崩れた。
その後、キモいや、死ねなどと罵倒された。
僕は世界の負け犬で、他の誰にも勝てない人間なんだ。
こんな僕は生きる意味なんてないだろう。
さようなら、僕の恋は地獄で報われるだろうか?