9/5/2024, 5:38:23 PM
貝殻
ふと店頭に並んだ商品に目をひかれた。貝殻などの入った、海を思わせる瓶だ。
そういえばいつか貝殻拾いに行こうと言っていた相手がいた。
友達だったあの子はいま元気だろうか?
私はしばしその商品を眺めて、すぐに興味を失ったので歩き出した。
叶わない約束だけがたくさん絡まって、やがて大人になって完全に千切れた。
もう約束の糸が元に戻ることはない。
拾いに行くはずだった貝殻は、きっと砂がすりつぶしたに違いない。
そう、思う事にした。
8/23/2024, 6:45:52 PM
海へ
海へ行った時、防波堤がとても高かった。
子供の頃の話だ。
今も、あの場所へ行くと高いと感じるのだろうか?
そうならいいな、と少し思った。
8/18/2024, 11:30:34 AM
鏡
仲良くなった人とは鏡のように似てくるという。あるいは合わせ鏡のような人が知り合いになるとも。
けれどもそれは、どちらも相手に関心を持ってるからの話だと思う。
さあ、私とあなたはどうだろうか?
8/16/2024, 10:24:53 AM
誇らしさ
あなたと過ごした最期の数日間。
自分が悲しみを耐えきり、共に過ごせた事が私は誇らしい。
あなたが生ききれた事をきっと邪魔せずにすんだのだから。
繋いだ手。
甘えてくるぬくもり。
誇らしいと、そう思わなければ悲しみが、後からあとからわいてくる。
7/25/2024, 2:05:38 PM
鳥かご
狭い檻の中で産まれて、歌い踊り、鳥かごの中に囚われた。
狭い世界。私は一人のために鳴く鳥。
ねえ、私は今はどうしてこんなに苦しいの?