#世界に一つだけ
あそこにいる
手が届きそうで届かないところに
あそこにいる
すぐに行けるところなのに行けないところ
あそこにいる
壊れそうで崩れそうで怖くなる
あそこにいる
あそこにいる
あそこにいる
あそこに世界で一つだけの大切な存在
#些細なことでも
なんで開けないの?
ブロックされたのかな?
「お待たせー。今日、何処でやるの?」
「駅前の居酒屋。やきとりが美味しいんだって。」
カラカラカラカラ
「あれ?メンバーこれだけ?」
「あー、これから3人来るよ。まだ仕事が終わらないんだって。」
「ん?どうしたの?」
「どうした?何かあったか?」
「些細なことでも言って。」
そこに、あの時見た少年がいた。
#開けないライン
「どうしたの?突然。」
「ちょうど、こっちの方に用事があって来たから顔出したの。」
インターホンを鳴らしたのは、小学校からの幼馴染のサチだった。
「そうそう。来月、プチ同窓会があるんだって。連絡、きてる?」
「小林くんが、モモにも来てほしいって言ってたよ。」
小林くんとは、数年前に喧嘩したままだった。
サチが帰った後、久しぶりに小林くんのラインを開いてみた。
あれ?開けないライン
何故か、小林くんのラインだけ開けなかった。
私は、次の駅で降りた。
少年が見えた場所を探す。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
私は走った。
あの交差点。。
あの場所。。。。。
それは、突然の君の訪問だった。
古ぼけた日記帳を、彼は持っていた。
何故?
私の頭の中はグルグルした。
「返してよ!」
彼は困惑した顔をして、モゴモゴと口を動かした。
言うか、言わないか、わからないうちに、私は彼から日記帳を奪い取った。
そして、電車に飛び乗っていた。
暫く、頭が真っ白のまま、扉の前で立っていた。
だんだん、外の景色を見る余裕が出た。
雨がポツポツと降ってきた。
だんだんと強くなる。。
雨に佇む少年が見えた。