3/11/2025, 3:15:24 PM
剥き出しの心臓に突き刺さった愛
誰よりも死んで
ひとなみ以上の生きたいを破棄
星だってごみだ、なのに
君が聖者なわけないじゃないか
臓にまるめてつめ込んだ心の内
喪失の恐怖を
あの子より知っているぼくはつよい。
助骨のはずのぼくら、
死ねなかったはずの生きたいぼくら、
心臓を満たす君は生者
#4.星
3/3/2025, 1:14:06 PM
ひらり、泡沫
ひとときの記憶にしがみつく
ふわふわふわ
かわいくしんだ昨日までのぼく
ひらり、泡沫
うつむいた明日と手をつなぐ
くらくらくら
世界ごとの回転と立てないぼく
ひらり、躱したまたねのあぶく
#3.ひらり
2/28/2025, 9:12:38 PM
海の深さを、見に行こう
太陽も溺れてしまえるなら
君の体躯は波に砕け散るだろう
可視化された息に
冷えきった指先をあてて
どうしても冷える ね、なんて
笑ってしまえる君が嫌いで
そんな
澱む君にも
逃げようとは言えなかったから
馥郁たる、感情に呑まれてく
空ぶった言語を投げつけて
「大丈夫」
確証もないのに
一度のそれしか言えないままで
差し出したこの手はきっと
あの日のままの
ぬくもりを求めていたんだね
#2.あの日の温もり
2/24/2025, 3:54:13 PM
昨日からほどけてた靴紐が
似合わず残る水溜まりを揺らして
揺れる景色はあまりにも脆かった
いつもは柔らかいアスファルトが
僕のかかとを踏む瞬間に
立ちはだかる小石は優しかった
手をついた先にあるのがきっと
雨に耐えた茎の遺したかった花だから
僕をさす青空はあまりにも痛かった
一輪、強く生きていて、
憧憬を咲かせる
#1.一輪の花