十九歳

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12/6/2025, 1:41:51 PM

ひと、個々にある濁りから
まだ目を反らせないでいる
それでも君の魂は
目を潰すほどの青空のうちがわ
靉靆たる日々の中でも僕にほほ笑み
此処にあるから見失うなよと
抱き締める力を強めて
柔く頭を撫ぜて
未だ消えない灯りとなる

#12.消えない灯り

11/9/2025, 11:05:30 AM

横断歩道のむこうがわ
赤い君は歩き出して
もう会えないことだけを
重い夕日を背負ったままの
伸びた背筋で教えてくれた
止まった僕はどこまでもブルー
コンクリートに色もつけずに
去り際笑えばよかったと
境界線を睨んで吠える

#11.心の境界線

10/7/2025, 12:26:03 PM

布団に潜って丸まって、体を縮こませて
そとを飛び交う怒号から
必死に逃れようとしていた僕に
チャイムの音と、窓の外から呼ぶ
近くの
遠くの声に
はじけて
この家をつつんだ静寂

切り裂くように走り出した、僕、には
まるで君が、僕を救う神さまのように見えてた
お願いだから
遠くの
近くにいる
君だけは
君だけは僕の神でいて

#10.静寂の中心

7/26/2025, 2:26:21 PM

跡が
君の命をなぞって書いた文章の
適切ではない言葉の表面に
救われなかった言葉の表面に、残る。
滲んだ文字、その不動は
嗚咽を知らないはずの僕が、きっとその時
吼えるより先にこぼしてしまった
変え難い痕跡となっているから
僕の生を辿り、君が、遺る。

#9.涙の跡

6/10/2025, 12:10:40 PM

世界(ぼく)の果てまで
死にたいです
羨望、揺れて、崩れず、
喘鳴、揺れず、崩れて、
明日(未明)にしがみついた
それでもあなたは、
昇るのでしょう
いつ、追い越されたのか
あなたの背中を
見たくなかったのですが
羨望、刺さり、躱せず
喘鳴、刺さり、躱せず
流れる宙で足掻くあなたは美しい
ねえ、果て(る)まで
生きていて、

#8.美しい

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