1/20/2026, 3:25:07 PM
永遠でいたいですか
波間に消える月明かりを
君が手に入れてしまった
海底に未来を忘れたままの
ふたりでいようね、とか
死ぬまで手を繋いでいよう、とか
譫言に飲まれて濁ってしまうね
なあ、深海
純粋な美しさに泣くなよ
透き通るほどに濁っている海の
君が消えた波間にぼくは
夢を見ていたいよ
海の底の砂に、しがみつく
永遠でいたいだけで
目を逸らしているわけじゃ
ないんだけどね
#13.海の底
12/6/2025, 1:41:51 PM
ひと、個々にある濁りから
まだ目を反らせないでいる
それでも君の魂は
目を潰すほどの青空のうちがわ
靉靆たる日々の中でも僕にほほ笑み
此処にあるから見失うなよと
抱き締める力を強めて
柔く頭を撫ぜて
未だ消えない灯りとなる
#12.消えない灯り
11/9/2025, 11:05:30 AM
横断歩道のむこうがわ
赤い君は歩き出して
もう会えないことだけを
重い夕日を背負ったままの
伸びた背筋で教えてくれた
止まった僕はどこまでもブルー
コンクリートに色もつけずに
去り際笑えばよかったと
境界線を睨んで吠える
#11.心の境界線
10/7/2025, 12:26:03 PM
布団に潜って丸まって、体を縮こませて
そとを飛び交う怒号から
必死に逃れようとしていた僕に
チャイムの音と、窓の外から呼ぶ
近くの
遠くの声に
はじけて
この家をつつんだ静寂
を
切り裂くように走り出した、僕、には
まるで君が、僕を救う神さまのように見えてた
お願いだから
遠くの
近くにいる
君だけは
君だけは僕の神でいて
#10.静寂の中心
7/26/2025, 2:26:21 PM
跡が
君の命をなぞって書いた文章の
適切ではない言葉の表面に
救われなかった言葉の表面に、残る。
滲んだ文字、その不動は
嗚咽を知らないはずの僕が、きっとその時
吼えるより先にこぼしてしまった
変え難い痕跡となっているから
僕の生を辿り、君が、遺る。
#9.涙の跡