あなたは私を柔らかい雨で包んでくれた。
優しい、とても優しい雨に打たれるように、
私を苦しみから、救い出してくれた。
ありがとう…
柔らかい雨
私は旅をしている魔女だ。
といってももうこの世界に魔力は無い。
大昔にある魔女により封印されたのだ。
その魔女は魔法を封印する代償で何があっても死なぬ、
不死身になった。
不死身と聞いたら別に代償のように思えないが、
実際死ねないのは辛い。
周りの者はどんどん居なくなるのに己だけ
取り残されてしまうのだ。
私は永遠の旅をしている魔女だ。
大昔に魔力を封印した魔女だ。
もう、何年、何千年、何万年経ったのだろうか。
一緒に旅をした仲間は、もう居ない。
私だけ、取り残されて、
人類が滅亡した今でも私は、『永遠に』旅を続けている。
昔は不死身とか、憧れてた。
わたしはいつも優しいママとパパの3人ぐらし
いつもママは褒めてくれるしぎゅっ!ってしてくれる。
パパはお仕事忙しいけどそれでも帰ってきたら
一緒に遊んでくれる。
ずっーとこの幸せは続くといいなあ
うふ、うふふっえへへ…
Э「うわ、すごいですね…これな、彼女が求めていた幸せ…なんだか気持ち悪いですが、楽しそうですね。」
Д「そうだな…まぁ、そのまま逝ってもらうか。」
Э「そうですね。では、さようなら。犯罪者。ずっと自分の『理想郷』にでも居てください。」
「この物語はね、お姫様が死ぬお話なのよ。」
えーなんで?さっき読んでくれたのだと幸せになったって言ってたじゃん!!
「これは、他の人から見たお姫様なの。もう、幸せになった頃には本当のお姫様はもういないの。」
どういうこと?
「まぁまぁ、おばあちゃんが読んであげるから…
この物語はお姫様が自分を大切にして、愛していた頃から、死んでしまうお話よ。さぁ、はじましはじまり…」
もう一つの物語
お姫様はとても元気な子でした。
いつも外で走り回り、剣で騎士ごっこもしていました。
でも、周りの大人は姫として、女の子として完璧なものを求めました。
元気な子ではなくお淑やかな子に、
男の子が着るような服ではなく、ヒラヒラのドレスに
外で元気に遊ぶのではなく、お城の中でお茶や、刺繍を楽しむ女の子に。
お姫様は、自分の好きを全てを否定され、淑女として、
みっともない、こんなのが国の姫だなんて恥ずかしい
そんなことばかり言われました。
それでも、お姫様は笑顔を絶えませんでした。
『だって、私は、、この国の姫だから。
いつか、上に立つ者として、恥じぬようにするの。
私の全ては、姫に相応しくない。
だから、バイバイ。』
その日からお姫様は素晴らしいお姫様になりました。
皆が喜びました。
『これで、良かったのよね。私は正しいのよね。
皆のためになったのよね。』
おかあさん!どこ行くの?
「ちょっと、散歩に行ってくるだけよ。」
私も行きたい!
「…だーめ、あなたはここでお留守番よ。じゃあ、ばいばい。」
まっておかあさん!私も行く!置いてかないで
ねぇ歩くの速いよ、ゆっくりにして!!
ねぇ、おかあさん、まって!いやだ!行っちゃいや!
行かないで、